山形屋食堂

この「焼きそば」は鹿児島のソウルフード。年間23万食!

2023/7/3 10:00

山形屋食堂

年間約23万食と、驚異の売り上げを誇る山形屋食堂の看板メニュー「焼きそば」。焼きそばは普通780円、ミニ600円、大盛り1,180円


デパートの大食堂は家族と出かける特別な場所―。そんな子どもの頃の記憶がある人も多いだろう。鹿児島県民の思い出が詰まった、山形屋1号館7階の山形屋食堂(鹿児島市)。

今から80年前の1943(昭和18)年7月1日に山形屋のグループ会社・山形屋食堂(現ベルグ)が発足し、食堂運営を始めた。看板メニューはおなじみ「焼きそば」。ベルグの杉山行広営業部長は「30年ぶりに帰省したというお客さまも、変わらない味を喜んでいた。思い出の1ページとなっている」。

山形屋食堂

個室・霧島に飾られた、昭和初期の大食堂の写真。おしゃれをして出かける特別な場所だった


年間約23万食と、驚異の売り上げを誇る焼きそば。小湊新吾総料理長は「シンプルですが、素材のうま味を引き出しているのがおいしさの秘けつ」と語る。あんは、チキンスープがベース。キャベツやシイタケ、モヤシなどの野菜と豚肉、イカを炒め、スープと煮ることで野菜の甘さ、具材のうま味を引き出す。トロトロのあんとパリパリの麺の相性は抜群。オリジナルの三杯酢をかければ二度おいしい。

山形屋食堂

焼きそばの相棒・三杯酢。来店した人の4割が焼きそばを注文するため、どの卓上にも置いている。


焼きそばは65年前、当時の料理人が手掛けたとされる。レシピは代々継承されてきた。小湊総料理長は「お客さまが育ててくれたメニュー。後世にしっかりと受け継ぎたい」と胸を張る。

焼きそばとともに時を刻んできた食堂。「お客さまとのふれあいがこの食堂の魅力。ふるさとをもっと好きになれる場所でありたい」と杉山営業部長。ふるさとのデパートでは、これからも“いつもの味”が待っている。

持ち帰れる「焼きそば」は山形屋2号館地階の弁当コーナーで!
小湊総料理長ら食堂スタッフがコロナ下に「新たなことにチャレンジしてみよう」と、持ち帰り用の焼きそばを開発した。長い歴史でもテイクアウト商品は初めて。店の味がそのまま楽しめるようにこだわった。

山形屋食堂

1食(450g)648円。量は食堂のミニサイズ同等


当初は食堂のみだったが、2号館地階の弁当コーナーでも販売している。1日50食限定。早い時には昼前には無くなってしまう。山形屋食品仕入部・阿久根ひとみ課長は「若い世代の皆さんにも食べてもらい、山形屋に足を運ぶきっかけとなれば」と期待する。山形屋ストアの鹿児島県内15店舗でも購入できる。

鹿児島市金生町3-1 山形屋1号館7F

営/10:00~19:00
P/あり

※情報は記事公開日現在のものです。

※料金など、店舗にてご確認ください。



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