駅弁「花の待つ駅かれい川」(森の弁当やまだ屋)

九州一の駅弁は鹿児島最古の木造駅舎・嘉例川駅にある

2023/5/9 10:00

駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

2022年度九州駅弁グランプリに輝いた「花の待つ駅かれい川」


桜の満開時季を迎えた3月下旬、霧島市隼人にある「森の弁当やまだ屋」を訪ねた。小さな調理場は香ばしい匂いで満たされ、揚げ油のバチバチと跳ねる音が響く。「もっと大きなところで作っていると思われるんですけど、狭いでしょう」。そう言いながら名物の芋天・ガネを揚げていたのは、代表の山田まゆみさん。夫と長女と、注文が多いときは他にも手伝いをもらい、朝4時半からの作業にいそしむ。

駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

弁当作りの様子。作業は販売当日の早朝4時半から始める



駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

「百年の旅物語かれい川」がずらり。「花の待つ駅かれい川」ともにガネが入る。価格はどちらも1個1500円


嘉例川駅で販売を続ける「百年の旅物語かれい川」は、JR九州が主催する九州駅弁グランプリで3回連続1位を獲得する人気弁当だ。6年ぶりに開催された昨年度の同大会で、やまだ屋のもう一つの弁当「花の待つ駅かれい川」がグランプリに輝いた。

駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

「湿気を外に逃がしてくれる」という竹の皮の弁当箱の包装には嘉例川駅ホームと列車が描かれる


「湿気を外に逃がしてくれる」という竹の皮の弁当箱には、霧島産をはじめ鹿児島県産・国産食材を使ったおかずがぎっしり。黒米とアワを炊き込んだご飯と甘辛いショウガのつくだ煮、有機栽培サツマ芋のガネ、甘めの卵焼き…。黄と紫が美しい2色のけせん団子は、新婚旅行で霧島を訪れたとされる坂本竜馬とおりょうをモチーフにした。

駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

山田さん家族


「地元農家さんの応援になればいい」。着色料や保存料を使わないシンプルな味付けが、素材のおいしさを引き立てる。

霧島市が打ち出す「ゲンセン霧島」の認定を受け、県外から買い求める客がいるなど、もはや特産品。「今年最初のお客さまは福岡から電車で来られた。頑張る力をいただいています」

駅弁「花の待つ駅かれい川」<small>(森の弁当やまだ屋)</small>

鹿児島で最も古い木造駅舎・嘉例川駅


販売場所:JR嘉例川駅(霧島市隼人町嘉例川2174)

製造元:森の弁当やまだ屋(090-2085-0020)
※販売は土日祝の10時から。人気商品のため予約がおすすめ。

※情報は記事公開日現在のものです。

※料金など、店舗にてご確認ください。



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