なぜ節分に「ママー」をまくのか…鹿児島、宮崎に残る伝統 メーカー社長を訪ねると驚きの結末が

2024/02/02 19:00
宮崎県などで節分にまかれていた「ママー」(熊本日日新聞提供)
宮崎県などで節分にまかれていた「ママー」(熊本日日新聞提供)
 宮崎、鹿児島両県の一部地域では節分の際、大豆の代わりに熊本市南区の「オークラ製菓」が手がけるソフトキャンディー「乳菓(にゅうか)ママー」をまく習慣がある。なぜ節分にキャンディーなのか。その理由を調べていくと思いがけない結末が待っていた。

 「乳菓ママー」は1971年の創業時からの看板商品。全国のスーパーやインターネット通販で10〜2月限定で販売。濃厚なミルク味とねっとりした独特の食感で、「懐かしい」と年配者を中心に人気を博した。

 同社の笠井康仁社長(53)によると、宮崎県などで節分でまく習慣が始まったのは約30年前。都城市に本社がある菓子問屋が打ち出した節分キャンペーンが発端で、商品を提供するようになった。都城市のほか、隣接の曽於市などにも広がったという。

 アンケートでも曽於市出身の公務員女性(31)=鹿児島市=は「時期になるとスーパーで落花生と一緒に並べられていた」。曽於市の主婦(52)も「落花生とミルクあめをまきます」と答えた。

 「ただ今年の節分には、ママーは提供できない」と笠井社長は言う。約30年間、修理しながらママーを作り続けた機械が故障。別の製造ラインでの生産を試みたが、味をうまく再現できなかったという。

 現在も、全国から「どこにも売っていない」「またママーを食べたい」というファンの声が同社に寄せられている。笠井社長は「節分の“必需品”として親しまれ、ママーを愛してもらえてありがたい。いつかまた、復活させたい」と話している。(合同取材班)
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