鹿児島市立武中学校|「決意あり」「力あり」「誇りあり」歌詞の精神は生徒に浸透

2024/04/05 12:00
校歌歌詞の一部を掲げた玄関出入り口=鹿児島市の武中学校
校歌歌詞の一部を掲げた玄関出入り口=鹿児島市の武中学校
 武中学校は、鹿児島市中心部と高速道路をつなぐ武岡トンネルの上に立つ。生徒専用の出入り口には、大きく手書きした校歌の歌詞3節がある。「決意あり」「力あり」「誇りあり」。それぞれ一~三番を締めくくる言葉だ。同校によると、新型コロナウイルス下の生徒を励まそうと2021年9月から掲げている。

 生徒にも歌詞の精神は浸透しているようだ。生徒会は22年4月、地域や校内行事で使う新たなのぼりに「武中学に誇りあり」の文言を入れることにした。生徒会長の大薗碧二〔あおい〕さん=3年=は「武中を象徴するのにふさわしい言葉。何事も全力で楽しむ姿が誇りだと伝えたい」と説明する。自身も教員から「決意があって力がつき、それが誇りにつながる」との歌詞の解釈を聞き、意味をかみしめるようになったという。

 校歌の完成は、現校名になって20年以上たった1970年3月。当時の資料によると、それまで生徒会歌が歌われていたが、正式な校歌を作ろうとの機運が高まり69年秋から歌詞を公募した。県内外48人から67編の応募があり、高松市在住の詩人・河西新太郎さん(1912~90年)の作品が選ばれた。もともと「行手あり」とあった歌詞を、校歌制定委員会が「誇りあり」と変えたことも記されている。作曲は、当時の鹿児島大教授で県内の校歌を多数手掛けた武田恵喜秀さんが担当した。

 同校の鮫島敦浩校長は「資料を見ると、成長を願う多くの人の思いが伝わる。生徒たちは背中を押してくれる応援歌として生かしてほしい」と話した。

 ●メモ 1947年、鹿児島市立第六中学校として武、田上両小学校の一部を借り開校した。49年、現校名に改称。50年には武小の隣接地へ。さらに63年、現在地へ移転した。75年、山形県鶴岡市の鶴岡第二中学校と兄弟校盟約を結び、相互訪問などを続けている。在校生492人(2022年6月1日現在)。

(南日本新聞2022年6月8日付)

校歌の風景

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