鹿児島市立生見小学校|渚にメヒルギ、松並木…自慢の自然をふんだんに

2024/04/05 14:00
松並木が目を引く生見海水浴場=鹿児島市喜入生見町
松並木が目を引く生見海水浴場=鹿児島市喜入生見町
 生見小学校は、鹿児島市の最南に位置する。東を鹿児島湾、西を千貫平〔せんがんびら〕といった雄大な自然に囲まれ、児童はのびのびと学校生活を送る。校舎の最上部には、校歌に歌われる校訓〈強く 正しく ほがらかに〉を書いた看板が掛かる。

 校歌は、現校名となり10年後の1957年に制定された。作詞は第11代校長を務めた松元準一さん。生見ならではの魅力をふんだんに盛り込んだ歌詞になった。卒業生で生見まちづくり協議会の宮原正紘会長(79)は、当時同じ敷地内にあった旧生見中学校に通っていた。「地域をよく理解した上での歌詞で、小学校との合同運動会で歌った記憶がある」と懐かしむ。

 校歌に歌われる自然を生かした学校行事も盛んだ。〈渚〔なぎさ〕を彩る 松並木〉が広がる生見海水浴場では、海開き前に海岸清掃を行う。77年から続く活動で、2022年度から同協議会と共催し児童と地域住民との交流の場になる。夏には遠泳大会もある。毎年3月のお別れ遠足では〈千貫の峰〉で約7キロの登山に挑む。「終盤にかけコースは険しくなるが、いつも上級生が下級生を支え登り切る」と、遠矢謙二教頭(48)は胸を張る。〈メヒルギ茂る 久津輪〔くつわ〕潟〉は、国の特別天然記念物が自生する北限地としての様子を盛り込んだ。

 6年の生見柊真〔とうま〕君と米倉花虎〔はなとら〕君は「校区の自慢を紹介できる。たくさん歌いたい」。勝本祥治校長(56)は「校歌にある自然での体験を生かし、子どもたちはさまざまことを実践し達成してほしい」と話した。

 ●メモ 1876年に地元住民が設立した教員1人、男子児童20人の「生見小学校」が前身。その後「生見尋常小学校」「生見国民学校」を経て、1947年に現校名となった。記録の残る65年は児童323人がいたが現在は22人(2022年6月30日時点)。校区外から児童を受け入れる特認校制度を導入している。

(南日本新聞2022年7月4日付)

校歌の風景

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