志學館大学(鹿児島市)|歌詞に込めた女子教育の先駆者の思い

2024/04/08 16:00
桜島を一望できる志學館大学キャンパス=鹿児島市紫原1丁目
桜島を一望できる志學館大学キャンパス=鹿児島市紫原1丁目
 鹿児島市の高台に立つキャンパスからは桜島や市街地が一望でき、美しい景観が眼下に広がる。

 大学歌の歌い出しは、1~3番すべて鹿児島の豊かな自然の描写で始まる。歌詞には、女子教育の先駆者で、志學館学園の創設者満田ユイ氏の考えに加え、「時代に即応した堅実にして有為な人間の育成」という建学の精神が込められている。

 女子大だった開学当初、大学歌はなく、学園歌を代用していた。共学化を経て、体育会系のサークルが活躍するようになると、学生や教職員から大学歌を求める声が上がり、2007年度に制定した。

 1番の歌詞の冒頭「桜島」は当初、「霧島の」だった。11年、霧島市から現在地に移転したのに合わせて改定した。学園歌も共学化に伴い歌詞の一部を見直した経緯があり、志賀玲子学長補佐は「変化への対応が表れている」と話す。

 式典などで歌う音楽サークルSOUNDSの松元花音〔かのん〕部長(19)は「凛」「燦〔さん〕」「厳」と韻を踏むフレーズが大のお気に入り。保存版の録音に参加した佐土原大空〔そら〕さん(21)は「徐々に盛り上がる曲になっていて歌っていて楽しい」と語った。

 ●メモ 1979(昭和54)年、霧島市に鹿児島女子大学として開学した。99年に男女共学化し、志學館大に改称。2011年、鹿児島市紫原1丁目にキャンパスを移転した。人間関係学部と法学部、大学院心理臨床学研究科があり、約1500人が学ぶ。

(南日本新聞2024年4月8日付)

校歌の風景

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