鹿児島市立黒神小学校|桜島をあえて使わず「煙はく島」に

2024/07/02 05:00
黒神小校舎=19日、鹿児島市の黒神小
黒神小校舎=19日、鹿児島市の黒神小
 校舎から桜島の昭和火口を望む。島北部にある黒神小学校(鹿児島市)は、大正大噴火前の1877年に開校。度重なる噴火被害による廃校や休校を経て、1949年に現在の場所に移った。

 校歌は59年に制定され、当時の校長田中静哉さんが作詞した。卒業生の浜島福光さん(75)は「校歌ができたことがうれしくて、毎日のように練習した」と懐かしむ。

 最盛期は170人を超えた児童も現在は1人。2026年春開校予定の義務教育学校「桜島学校」に統合される。5年生の浦口航さんは23年4月に転入してきた。級友がいないことに初めは戸惑ったが、つばき油販売や特産のびわ収穫体験など、島ならではの学校生活を満喫している。

 校歌は始業式や朝礼で教員と歌う。「<煙はく島>と表現し、あえて桜島を使わない歌詞が面白いと思った」と航さん。「もう少しで閉校になるけど、先輩たちの思いを受け継ぎながら歌いたい」と力を込める。

 父親の浦口真樹教頭(49)は「この場所でしか体験できないことはたくさんある。貴重な経験を生かして強く成長してほしい」と願った。

●メモ 1877(明治10年)年創立。校章は桜島特産のビワの葉をあしらい、灰やガスに強い葉のようにたくましく成長してほしいとの願いが込められる。2024年桜島大根コンテストの学校部門で優勝。校訓は、心豊かな子、自ら学ぶ子、たくましい子。

■鹿児島市立黒神小学校 校歌
作詞・田中静哉
作曲・迫田武資


煙はく島 朝あけの
みどりの風に 手をくんで
きよき心を のばしつつ
希望かがやく ああわれら
希望かがやく 黒神小学校


めぐる黒潮 はろばろと
映ゆる光に むねをはり
強きからだを きたえつつ
力みなぎる ああわれら
力みなぎる 黒神小学校


朝な夕なに 七色の
溶岩(いわ)に流るる 雲のかげ
まことの道を 学びつつ
平和ただよう ああわれら
平和ただよう 黒神小学校

校歌の風景

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