校舎の壁面に大書された「笑顔輝き 夢かなう 曽於高校」の校是=曽於市末吉町二之方
曽於市末吉町二之方の国道269号沿い。校門に立つと、校舎の壁面に大書された文字が目に飛び込んでくる。「笑顔輝き 夢かなう 曽於高校」。初代の長佳文校長が考案した校是だ。
その校是を歌詞の締めに三度使った校歌は、1期生と教職員が一緒に作り上げたユニークな作品だ。末吉、財部、岩川の3校を統合した新設校に「歴史と伝統を共に築きあげ、連帯感と愛校心を深めたい」との願いが込められている。
開校後間もなく、全校生徒と教職員から歌詞を募り、吹奏楽部などの協力を得てメロディーが誕生した。1番の歌詞は1年生、2番は2年生、3番は3年生の姿をイメージしている。
当時、国語担当で歌詞のまとめ役だった立森慈雄教諭(47)=現武岡台高校=は「とても気合が入ったのを覚えている。心に残るプロジェクトでした」と懐かしむ。地元の自然や四季なども歌詞に盛り込みたいと、休日には市内の景勝地などを見て回ったという。
同校は昨年、創立10周年を式典で祝った。校歌の後押しもあるのだろう。2022年の全国和牛能力共進会の特別区で日本一に輝くなど各分野で活躍を続けている。
●メモ 2014(平成26)年、財部、末吉、岩川の3高校が統合して旧末吉高校敷地内に開校した。曽於市内にある唯一の高校。設置科は県内でも珍しいという文理、普通、畜産食農、機械電子、商業の5学科。全校生徒は364人(10月1日現在)。
■鹿児島県立曽於高校 校歌
作詞・作曲 第1期生・教職員一同
作詞委員長 立森 慈雄
作曲委員長 堀之内拓郎
一
朝(あした)の陽光(ひかり) 広がるみ空
仰げば遙か 高千穂峰
文武に燃ゆる 我らの理想
笑顔輝き 夢かなう 曽於高校
二
新しき風 舞い上がる桜花(はな)
豊かに光る 大淀の水
紡いでゆこう 悠久の歴史
笑顔輝き 夢かなう 曽於高校
三
季節をめぐり 磨き育てた
きらめく星を 翔けゆく翼
讃え謳おう 我らの未来
笑顔輝き 夢かなう 曽於高校