谷山小学校の校舎と緑の屋根が特徴的な講堂(左)=10月11日、鹿児島市谷山中央1丁目
谷山小学校は、鹿児島市南部の住宅地にある。周辺には市役所の谷山支所や郵便局、商業施設が立ち並ぶ。近年はJR谷山駅前の再開発が進み、道路の拡幅や区画整理により街並みは表情を変えつつある。
校歌が制定されたのは1953(昭和28)年。桜島や鹿児島湾に注ぐ永田川、慈眼寺跡のヤマザクラといった、自然豊かな田園風景が詞に織り込まれている。吹奏楽部に所属する6年生の米山史菜さんは「歌が上り調子で終わるところが、おしゃれでかっこいい」と胸を張る。
校区の人口が増えた58年には児童数3000人を超え「日本一のマンモス校」と称された。「学校の周りの田んぼが一気に住宅地に変わり、街になった」と卒業生で校区あいご会コーディネーターの吉留栄美さん(57)。「全校児童が歌うとすごかった」と回想する。
西門の横には、シンガー・ソングライターの吉田拓郎さんの「夏休み」の歌碑がある。2年生まで通った谷山の思い出を歌ったとされる。長友充男校長(60)は「吉田さんの歌のように、子どもたちが校歌を、ふるさとの歌だと懐かしんでくれたら」と願う。
●メモ 1869(明治2)年に創立された「立志舘」が起源。76(同9)年に谷山小学校に。宮崎市の大淀小学校との交流が1955年以来続く。58年には児童数が3000人を超え、69年に東谷山小、78年に西谷山小に分離。児童数は942人(2024年5月時点)。
■谷山小学校 校歌
作詞 高城俊夫
作曲 西 勇恕
一
青空高く さわやかに
晴れて明るい 桜島
ああ あの山の気高さを
理想とつねに あおぎつつ
まなぶ 谷山小学校
二
若葉の緑 瀬にはえて
流れつきせぬ 永田川
ああ あの水のすがしさに
心のかがみ みがきつつ
はげむ 谷山小学校
三
昔を今に 咲きにおう
慈眼寺あとの 山桜
ああ あの花の輝きに
平和の光 もとめつつ
つどう 谷山小学校