さつま町立佐志小学校|歌詞は4番まで、それぞれ地元の春夏秋冬織り込む

2025/02/11 05:00
校歌に登場する佐志小学校のシンボルのセンダンの木=1月29日、さつま町広瀬
校歌に登場する佐志小学校のシンボルのセンダンの木=1月29日、さつま町広瀬
 さつま町の中心市街地から4キロほど離れた田園地帯に位置し、町内6小学校の中で唯一、校歌が4番まである。それぞれの曲番の歌詞には、<若葉に香る><焼けつく夏><こがねの波><紫尾の山から吹きおろす寒い風>と地元の春夏秋冬が織り込まれている。

 新型コロナ下では、飛まつ感染を防ぐために歌唱時間を減らそうと、学校行事の開催季節に合わせた曲番だけを歌う時期もあった。「使い勝手がいいのも魅力の一つ」という。

 町人物伝などによると、作曲者は1950年から同校で音楽科専科教員を務めた故手塚一郎さん。後に「宮之城吹奏楽団」結成などに尽力し、県吹奏楽連盟の理事長にも就いた。3年ほどの勤務の間にピアノ開きなどがあり、校歌も作られたとみられる。

 現在の全校児童は80人だが、歌詞では「五百の子ら」と詠まれ、児童数が500人を超えにぎわっていた時代を映し出す。<ランラン->と楽しげなフレーズを覚えている人も多く、卒業生の一人で佐志区公民館長の小西義彦さん(72)は「地元を離れた人も校歌を口ずさめば、佐志の原風景がよみがえる名曲」と絶賛した。

■メモ 1871年、旧郷校を建て寺子屋風の教育が始まる。97年に佐志尋常小、国民学校を経て1947年に現在の佐志小に改称。児童数のピークは59年の562人。70年には隣接していた佐志中学校が統合により閉校した。校庭にはシンボルのセンダンの木が立つ。

●さつま町立佐志小学校校歌
作詞・宇宿幸男
作曲・手塚一郎


若葉に香る校庭の
昔ながらのせんだんは
五百の子らにすくすくと
のびてくれよとランランランランラン
やさしい声で呼んでます


田原が岡を前にみて
焼けつく夏の暑さにも
みんな元気にはねまわり
強い体をランランランランラン
いつも変わらず鍛えます


清い流れのあな川に
こがねの波が続くとき
みんな喜び手伝って
住みよい佐志をランランランランラン
力合わせてつくります


紫尾の山から吹きおろす
寒い風にも負けないで
みんな仲よく手をつなぎ
平和の鐘をランランランランラン
音高らかにならせます

校歌の風景

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