146年の歴史に幕を閉じた池田小学校=錦江町
山々に囲まれ、緑豊かな池田校区は<せせらぐ水よ>と歌われる神之川が流れ農業が盛ん。学校近くの大クスは樹齢800年以上とされ、子どもたちの成長を見守ってきた。
明るく元気な校歌は1951(昭和26)年に制定。鹿児島大学教員コンビの蓑手重則さんが作詞、西勇恕さんが作曲した。県国語教育の功労者でもある蓑手さんは、錦江町内の宿利原小校歌も手掛けた。いずれも<ぼくらだ わたしらだ>の詞があり、こだわった言葉と思われる。
池田小では近年、農業体験や福祉学習、神舞継承といった「池田学」に力を入れる。特に地域の伝統行事である神舞は、保存会の指導を受けながら、町制20周年記念式典や町文化祭で披露して地域を盛り上げてきた。
その学校も3月末で閉校。最後の卒業生となった大園菜乃歌さんは「神舞や運動会が思い出」と振り返る。<小学 小学 池田校>と歌うフレーズが好きで「盛り上がり、元気がもらえた」。
校長として閉校を見届けた石踊晴元さん(61)は「池田の歴史と伝統を大切にして、常に前を向き、何事にもチャレンジしてほしい」と子どもたちにエールを送った。詞の通り、<ひとみ明るく 元気よく>世界に羽ばたいてほしいと願っている。
■メモ 1879(明治12)年に旗山小学校として開校。1947年に池田小に改称した。60年ごろには400人以上の児童がいたが、2024年度は10人に。校訓は「自信と勇気をもて」。25年4月に宿利原小と共に、大根占小に再編統合された。
●錦江町立池田小学校校歌
作詞・蓑手 重則
作曲・西 勇恕
一
みどりの原よ 高原の
国見おろしに 眉あげて
ひとみ明るく 元気よく
学ぶぼくらだ わたしらだ
小学 小学 池田校
二
せせらぐ水よ 神之川
河鹿さやかに なくところ
みんななかよく 肩くんで
励むぼくらだ わたしらだ
小学 小学 池田校
三
はるかな空よ 開聞の
すがた仰いで 朝夕に
のぞみ大きく たくましく
生きるぼくらだ わたしらだ
小学 小学 池田校