志布志市立伊﨑田小学校|途中で微妙に変化した4番の歌詞の謎

2025/05/07 05:00
中学校と同じ敷地に立つ伊崎田小学校=志布志市
中学校と同じ敷地に立つ伊崎田小学校=志布志市
 学校の西側に位置する「字尾(あざお)の岡」、5年生がみこしを担いで年越しする伝統がある「白鳥」神社が織り込まれた校歌は、1955(昭和30)年に作られた。隣接する中学校の校歌にも字尾と白鳥が登場しており、愛着の深さがうかがえる。

 4番の歌詞は、沿革史や学校に現存する卒業アルバムをたどると、途中で微妙に変化している。少なくとも82年以降は現在と同じ「朝風薫る 青空に」だが、72年以前は「南風薫る 青雲よ」となっている。

 73、75年の卒業アルバムには3番までしか表記がない。伊崎田校区コミュニティ協議会事業部長の中山公文(きみまる)さん(64)=73年卒=は「4番まで歌っていたが、歌詞はどちらだったか」。中山さんが年長者に確認すると、以前は「南風薫る」だったようだ。80年発行の「有明町誌」は「南風かおる 青空に」とハイブリッド型。この時期に変化したのかもしれない。

 同校は2018年度から小中一貫型教育校「伊崎田学園」となった。28年度には同じ敷地に特別支援学校が開校予定だ。校歌のように姿を変えながら、これからも地域の教育の核であり続ける。

■メモ 1874(明治7)年創立。学校沿革史によると、1958、59年度の児童は755人を数えた。現在の児童数は62人。複数人でクラスを受け持つ「チーム担任制」や40分授業などの改革に取り組む。校内の相撲場で開かれる「伊崎田相撲」は百年以上続く。

●志布志市立伊﨑田小学校校歌

作詞 前田重行
作曲 迫田武資


字尾の岡の 森かげに
緑に映える 学舎の
明るい窓に はつらつと
仲よく学ぶ 伊崎田校


黒土匂う 高原の
豊かな里に 生いたちて
大地と共に 逞しく
楽しく励む 伊崎田校


歴史は古き 白鳥の
誇りを永遠に うけつぎて
正しく強く 伸びてゆく
足なみそろう 伊崎田校


朝霧晴れて 野は光り
黒潮寄する 有明の
朝風薫る 青空に
希望はおどる 伊崎田校

校歌の風景

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