中学校と同じ敷地に立つ伊崎田小学校=志布志市
学校の西側に位置する「字尾(あざお)の岡」、5年生がみこしを担いで年越しする伝統がある「白鳥」神社が織り込まれた校歌は、1955(昭和30)年に作られた。隣接する中学校の校歌にも字尾と白鳥が登場しており、愛着の深さがうかがえる。
4番の歌詞は、沿革史や学校に現存する卒業アルバムをたどると、途中で微妙に変化している。少なくとも82年以降は現在と同じ「朝風薫る 青空に」だが、72年以前は「南風薫る 青雲よ」となっている。
73、75年の卒業アルバムには3番までしか表記がない。伊崎田校区コミュニティ協議会事業部長の中山公文(きみまる)さん(64)=73年卒=は「4番まで歌っていたが、歌詞はどちらだったか」。中山さんが年長者に確認すると、以前は「南風薫る」だったようだ。80年発行の「有明町誌」は「南風かおる 青空に」とハイブリッド型。この時期に変化したのかもしれない。
同校は2018年度から小中一貫型教育校「伊崎田学園」となった。28年度には同じ敷地に特別支援学校が開校予定だ。校歌のように姿を変えながら、これからも地域の教育の核であり続ける。
■メモ 1874(明治7)年創立。学校沿革史によると、1958、59年度の児童は755人を数えた。現在の児童数は62人。複数人でクラスを受け持つ「チーム担任制」や40分授業などの改革に取り組む。校内の相撲場で開かれる「伊崎田相撲」は百年以上続く。
●志布志市立伊﨑田小学校校歌
作詞 前田重行
作曲 迫田武資
一
字尾の岡の 森かげに
緑に映える 学舎の
明るい窓に はつらつと
仲よく学ぶ 伊崎田校
二
黒土匂う 高原の
豊かな里に 生いたちて
大地と共に 逞しく
楽しく励む 伊崎田校
三
歴史は古き 白鳥の
誇りを永遠に うけつぎて
正しく強く 伸びてゆく
足なみそろう 伊崎田校
四
朝霧晴れて 野は光り
黒潮寄する 有明の
朝風薫る 青空に
希望はおどる 伊崎田校