阿久根市立鶴川内小学校|「つるごち」転じて「つるかわうち」…地名の由来わかる3番の歌詞

2025/06/03 05:00
鶴川内小学校の校舎
鶴川内小学校の校舎
 鶴川内(つるかわうち)小学校は、阿久根市北部の山あいにある。敷地のすぐそばを青い高松川が流れ、広々とした田畑を潤している。昔話の世界のようにのどかな景色は、校歌の歌詞そのものだ。

 現在の校歌は、蓑手重則と西勇恕の鹿児島大学コンビが1960(昭和35)年に手掛けた。弾むようなメロディーに、高度成長期の明るい空気が漂う。

 「帰りには高松川でよく水浴びをした」。卒業生で学校のそばに住む齊藤(旧姓・赤坂)ミサヱさん(95)は、歌詞を見せると懐かしそうに話した。だが、口ずさんだのは自身と同じ1929(昭和4)年誕生の旧校歌。こちらは、遠くに望む紫尾山の山並みを歌っている。

 雰囲気の異なる二つの校歌だが、ともに3番は地名が鶴に由来することを伝えている。市発行の「阿久根の地名」によると、昔は鶴の渡来地だったことからこの一帯を「鶴来地(つるごち)」と呼び、それが転じて鶴川内になったという。地元を「つうごっ」と呼ぶミサヱさんが「鶴が飛んでいるのをよく見ていた」と教えてくれた。羽を広げた姿の校章も名残の一つだ。

■メモ 創立は1878(明治11)年。93(明治26)年に現在地へ移転した。校訓は「やさしく たくましく よく考える」。2008年に特認校制度を導入し、現在は17人が通う。「行ってみたくなる学校」をうたい、農作業や調理といった体験活動や読書などに力を入れる。

●阿久根市立鶴川内小学校校歌

作詞・蓑手重則
作曲・西 勇恕


山なみ清く 明けそめて
緑の風は 朝を呼ぶ
学びの窓に 今日もまた
瞳明るく 元気よく
学ぶぼくらだ わたしらだ


鷹首山の 若草に
高松川の せせらぎに
心をみがき 身をきたえ
みんな仲良く 助けあい
励むぼくらだ わたしらだ


鶴川内の 名において
さやかにかける 鶴のむれ
翼も強く はばたいて
望み大きく たくましく
生きるぼくらだ わたしらだ

校歌の風景

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