湧水町立吉松小学校|豊かな自然、歴史を反映 子どもにも分かりやすく

2025/06/17 05:00
吉松小学校の校舎
吉松小学校の校舎
 吉松小学校は、旧吉松町全域から児童が通う。鹿児島県北部に位置し、えびの市と隣接する県境のまちだ。作詞の浜田盛秀、作曲の武田恵喜秀は、ともに県内の校歌を多数手がけている。同校とどのような縁があったかは分からない。

 歌詞にあるように霧島連山が望め、蟠龍梅(ばんりゅうばい)の名所もある。栗野岳の山裾に広がる沢原高原には、農耕馬の放牧場があった。竹中池や熊野などの湧水があり、温泉も豊富な湯の里はしばしば、川内川の霧に包まれる。

 校歌は1960年度に制定。郷土の歴史に詳しい吉岡勇二さん(73)=同町川添=は当時3年生。前年から鉄筋校舎の建築が始まっており、「落成を機に作られたのでは」と推測する。

 ボランティアガイド湧水(わくわく)汽車(ぽっぽ)会の大重忠文さん(78)は旧校歌しか知らず、「戦前の歌詞なので言葉が難しく、意味も知らずに歌っていた。今の詞は子どもにも分かりやすい」。

 坂本敬校長(55)は「児童に親しまれている歌詞の通り、豊かな自然、歴史がある地域に支えられている」と感謝した。

■メモ 1872(明治5)年に創立。校訓は「やさしく かしこく たくましく」。現在の児童は74人。本紙「若い目」「子供のうた」など、新聞への投稿を通した国語教育に力を入れている。4~6年生は校区の棒踊りを運動会で披露し、地域の伝統文化を引き継いでいる。

●湧水町立吉松小学校校歌

作詞・浜田 盛秀
作曲・武田恵喜秀


さやかな夜明け ばら色の
望みかがやく 霧島よ
ああさちひらく 学びやに
ほこりも高く はげみ行く
吉松の子に 梅かおれ


みどりの沢原 風光り
いななく馬よ わく水よ
ああすこやかに 身をきたえ
つらぬく使命 もゆる意気
吉松の子よ 虹をよべ


川内川の 夕霧に
みのり豊かな 湯の里よ
ああ仲よしの かた組んで
平和をきずく 夢と歌
吉松の子よ 星仰げ

校歌の風景

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