鹿児島市立八幡小学校|周囲の景色は様変わりしても「ずっと心に残る歌」

2025/07/15 05:00
住宅地の中にある八幡小学校の校舎
住宅地の中にある八幡小学校の校舎
 学校周辺の風景は、校歌が作られた1954年当時と様変わりした。海は埋め立てられ、高層マンションが並ぶ。6年生の三本真也さんは「歌えば桜島や鹿児島湾の情景が目に浮かぶ。ずっと心に残る歌」と話す。

 作詞作曲は八幡小学校職員とある。同校教諭だった住吉喜市さんの手記によると、当時教壇に立っていた吉村次雄さんが作詞、迫田武資さんが作曲した。職員と記された経緯は不明だが、二人は「鉄筋校舎落成の歌」「八十周年祝歌」など八幡小にちなんだ歌を作っている。

 校歌に登場する鳩(はと)は、校区内にある荒田八幡宮では神の使いとされ、平和への願いが込められている。残された資料に、迫田さんは「戦災から起(た)ち上がろうとする私達(たち)の努力から生まれ出た曲」と記している。

 10歳を迎える4年生が自らの成長を振り返り、将来の夢を保護者らに発表する「半成人式」は八幡小発祥。88年から今年で39回を数える。「夢を持って、今できることを頑張ってほしい」。内田奈緒美校長(59)は、児童が目標へ羽ばたいていく姿を期待する。

■メモ 1876年創立。校区は鹿児島市の中央部に位置し、住宅や商業施設が立ち並ぶ。鹿児島大学の水産学部や国際交流会館があり、留学生の子どもも机を並べる。来年150周年を迎える。校訓は「考える がんばる 助け合う」。児童数は6月現在で529人。

●鹿児島市立八幡小学校校歌

作詞、作曲・八幡小学校職員


明けゆく空は 七色に
峰は映えたり 桜島
燃える希望も 新しく
学びの庭に 光あり
ああ 光あり 八幡校


歴史は香る 学舎に
笑顔揃(そろ)えて 手をとって
伸びる力に 胸はれば
輝く瞳に ほこりあり
ああ ほこりあり 八幡校


鳩(はと)をかたどる この校章
世界は一つ 錦江の
波につながる この理想
永久(とわ)に平和の鐘はなる
ああ 鐘はなる 八幡校

校歌の風景

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