薩摩川内市立城上小学校|山あいの田園地帯が思い浮かぶ歌詞

2025/08/13 05:00
城上小学校の校舎
城上小学校の校舎
 歌詞からは、山あいののどかな田園地帯が思い浮かぶ。卒業生で、城上地区コミュニティ協議会の前会長・田島俊一さん(80)は「自慢の風景を上手に取り入れてある」と語る。

 冒頭の<こんたけ>は混岳(標高369メートル)を指す。昔は遠足のほか、旧高城村の全小学校の児童が登り、互いの校歌を歌い合う行事があったという。周辺は高城川の水で稲作が栄えた。住民の協力で児童は毎年、米作りを体験する。川では以前、多くの子どもが泳いだり、魚を捕ったりして遊んだ。

 作詞は教員だった地元出身の上薗十一。1982年発行の上薗の詩集によると、53年に校歌策定に向けた委員会を設置。「戦後の心の荒廃からたちなおらせる、やさしい子どもの愛唱歌」を心がけたという。民謡研究家の久保けんおが作曲した。

 センダンは1919年に卒業記念樹として校庭に植樹。87年に校舎改築工事で伐採されたが、校舎にその切り株が残る。同協議会の麥田正英会長(73)は「子どもを見守ってきたシンボル。一部を家で大切に保管している」と話す。

■メモ 肥薩おれんじ鉄道上川内駅から北へ5キロの山間部に位置する。かやぶき屋根3棟の「塚村尋常小学校」として1879年創立。2015年に閉校となった吉川小学校と統合した。1959年度は児童391人がいたが、現在は43人。校訓は「なかよく かしこく たくましく」。

●薩摩川内市立城上小学校校歌

作詞・上薗 十一
作曲・久保けんお


こんたけの こだまは遠く
朝風の 歌を運ぶよ
この里で 学ぶ我らの
幸福を いつも思う
ああ 城上の明るい子ども


高城川は 静かに澄んで
せんだんの 若葉は香る
この水に 姿うつして
正直な 心をみがく
ああ 城上の素直な子ども


山あいの かじかなく野に
学び舎の 鐘は鳴る鳴る
腕をくみ 肩 肩くんで
青空の 仲良しこよし
ああ 城上の元気な子ども

校歌の風景

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