伊敷台小学校の校舎
伊敷台小学校は1993年、鹿児島市の大型団地・伊敷ニュータウンに整備された。32年たった現在も、市で最も新しい小学校だ。校歌は開校後、教員が力を合わせて作り上げた。
「最初の夏休み、山元健一校長から校歌の作詞という“宿題”が国語教員に出された」。国語の主任を務めていた坂元裕人・垂水市副市長(67)は当時を、鮮明に覚えている。校区を歩き回り、桜島を望む景観や、12星座の名が付いた公園を取材。団地で育つ児童にとって、いつまでも夢を育む場所であってほしいという願いを込め、「夢の里」というフレーズを入れた。
出来上がった歌詞を元に、木原裕子さん(67)ら音楽部の教諭が作曲を担当。児童が語り合うような二部合唱に仕立てた。2学期が始まると練習を重ね、94年1月にお披露目した。坂元さんは「校歌を子どもたちが歌ったとき、やっと学校がスタートしたと感じた」と振り返る。
校歌を使った「全校ダンス」にも挑戦した。理科専科の男性教諭が、テクノ調にアレンジした変わり種。現在も運動会で踊られている。
■メモ 鹿児島市の坂元小学校と玉江小学校、伊敷小学校から児童が編入して1993年に開校。校舎は中央に広いピロティを備え、図書室は2階分の吹き抜け構造になっているなど特徴的な建物が並ぶ。児童数は2001年の1060人をピークに減り続け、25年度は406人。
●鹿児島市立伊敷台小学校校歌
作詞作曲・教員一同
一
緑の大地 夢の里
豊かな恵み 身に受けて
心をひとつに 助け合い
大きな希望を 抱きつつ
共に学ぶ 伊敷台
二
高くそびえる 桜島
朝の光を あびながら
心も体も たくましく
新たな歴史を 拓きつつ
共に伸びゆく 伊敷台
三
星座の中の 学舎(まなびや)で
時代を築く わたしたち
真理を求めて 磨き合う
豊かな未来を えがきつつ
共に輝く 伊敷台