いちき串木野市立串木野西中学校|幕末の薩摩藩留学生思い起こさせる歌詞

2025/09/06 05:00
串木野西中学校の校舎と校庭=いちき串木野市
串木野西中学校の校舎と校庭=いちき串木野市
 いちき串木野市街地を臨む小高い場所に位置し、校舎上階からは1キロ余り先の東シナ海も見える。周囲には五反田川が流れ、田畑や丘陵が広がる。

 校歌は、開校した1972年に制定された。社会科教諭だった桑原一さんが作詞、音楽科教諭だった上竹原優さんが作曲を担当した。

 2番最後の<西中健児>は、学校教育目標などに今も用いられる言葉だ。3番の<ロマンの海は 広々と 世界につづき 意気たかし>は、幕末に同市から欧州へと旅立った薩摩藩の留学生たちを思い起こさせる。

 72年度の卒業生、満薗健士郎さん(68)は「西薩町に工業団地ができるまで、海岸線には砂浜が広がっていた。砂浜でランニングする部活動生もいた」と懐かしむ。

 50年以上の歴史を紡いできた西中だが、本年度末で閉校する。3年の西峯こころさんは最後の卒業生となる。「生徒数がすごく少ないわけでないのに、なくなってしまうのはさみしい。西中の風景が出てくる校歌をしっかり歌い納めたい」と話した。

■メモ 1970年に串木野中学校の一部を分離し、旭中学校、荒川中学校と統合して発足。生徒たちは72年に校舎が開校するまで、別々に学んだ。生徒数は同年の678人がピークで、現在は122人。朝の3S(ストップ、スマイル、先手)あいさつ運動などに力を入れている。

●いちき串木野市立串木野西中学校校歌

作詞 桑原 一
作曲 上竹原優


清らかに 大気は澄みて
朝の陽が てり輝けば
淡紅色(ときいろ)に 映ゆる学び舎
串木野の 丘を仰いで
若人よ われらは集う


熱血の 脚ふみならし
すこやかに 体をきたえ
肩を組み 手をとりあって
ひたすらに われらは学ぶ
みんな皆(みな) 西中健児


グランドの 白いラインよ
まっ直(す)ぐな 明るい心
眉あげよ ロマンの海は
広々と 世界につづき
意気たかし われらは西中

校歌の風景

日間ランキング >