鹿児島市立清水小学校|山田耕筰が曲を手がける

2025/10/25 05:00
校訓の「かしこく やさしく たくましく」を掲げる清水小学校の校舎=鹿児島市清水町
校訓の「かしこく やさしく たくましく」を掲げる清水小学校の校舎=鹿児島市清水町
 <山松高き清水城>と歌い出すように、清水小学校の北側には1387年に島津家7代元久が築城した清水城跡がある。校区には<英俊眠る>福昌寺跡や、<真清水>が湧き出ている仁王堂水源地など名所が多く、長い歴史を感じさせる。

 校歌は1929年に制定。作詞は第七高等学校造士館(現鹿児島大)の教授で、子どもが清水小に通っていたとされる佐々木信香。作曲は、「赤とんぼ」「待ちぼうけ」などの童謡で有名な山田耕筰が手がけた。

 創立100周年記念誌によると、佐々木が山田と面識があった縁で実現した。山田は同年4月に校歌を指導するために学校を訪れており、当時の校長らと並んだ写真やサインが残る。卒業生の有川勝美さん(75)は「テンポが良く、勇ましい曲調。有名な方が作曲してくれた校歌は誇りだ」と胸を張る。

 歌が5番まであるため、行事では1、2、5番が歌われる。詞に登場する場所を訪ねたという5年の政凜々花さんは「歌うと清水城が思い浮かぶようになった。これからも大切にしたい」と話した。

■メモ 1912年に清水尋常小学校として創立。伝統行事である「錦江湾横断遠泳」は17年に始まり、太平洋戦争による中断を経て、今年で71回目を迎えた。60年代には2000人以上の児童がいたが、現在は472人に。校訓は「かしこく やさしく たくましく」。

●鹿児島市立清水小学校校歌

作詞・佐々木信香
作曲・山田 耕筰


山松高き 清水城
仰ぐもゆかし 城跡に
星霜うつる 四百年
英俊眠る この里の
霊気ただよう 聖域ぞ
わが学舎の あるところ


古ここに 芽生えして
代々の偉人を 生み出でし
その魂の 発祥地
源遠き 真清水の
尽きせぬ流れ むすびつつ
集う我らの 気高さよ


玉龍緑 かげうつす
稲荷の川の 川ぐまや
郷土の誇 抱きつつ
進みゆく世を せおいなむ
栄えよ栄えよ とことわに
その名も清き 清水校

校歌の風景

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