[候補者インタビュー]三反園 訓氏(62)

走り続ける現場主義
2020/06/29 12:04
 鹿児島県政史上初の民間出身知事は県庁にとどまらず、土日も休みなく地方に赴き「け死んかぎい」走り続けた。「実際に声を聞かないと分からないことがある」と現場主義を貫く姿は、県民に新しい知事像を描かせた。
 国内外でのトップセールスを通じ、農業振興や観光PRに力を注いだ。「県民とともに歩む政治」を掲げ、42市町村35会場で開いた車座対話では、元テレビキャスターらしく司会進行も務めた。メモを取り、参加者の質問に軽やかに答える。スピード感を重視し、出た意見や要望にはすぐに対応するよう、担当部局に指示している。
 4年間で印象的だった出来事に、2017年全国和牛能力共進会での団体優勝を挙げる。「鹿児島の底力を見せようとみんなで取り組んだ。和牛日本一の称号を得て世界に畜産王国をアピールできた」と胸を張る。22年の地元開催で連覇を成し遂げる覚悟だ。「輸出を増やし、農家の所得を上げ、後継者が育つ好循環をつくりたい」
 指宿市出身。中学、高校では野球部の主将を務めた。早稲田大学卒業後、テレビ朝日で政治記者として歴代首相を取材。駆け出し時代に接した故中曽根康弘氏に言われた「根性と揺るぎない信念」は、知事就任後も大切にしている言葉だ。
 東京時代は図書館に通った。悩んだとき、本のタイトルを眺め一周すると、答えを教えてくれる作品が見つかるという。「今は知事として走り続けているが、いつかそんな時間が持てたら」と笑う。
 都内に離れて暮らす家族とは週1回電話で話す。「いつも健康を気遣ってくれる。家族がいるから頑張れる」

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