時間にルーズな新入社員を指導したい。でも言い過ぎるとハラスメントに…怖い

2025年9月3日
回答者:長倉伯博さん
【質問】会社の営業部門で課長をしています。今年の春に大学を卒業した新入社員の女性が部下になりました。仕事もこなし、人当たりもよく取引先からも評価され期待しています。ただ少し時間にルーズなところが気になります。出社時間に遅れたり、仕事の約束の時間にぎりぎりに来たりします。口頭でやんわり注意しても一向に改善されません。私の上司も気付き、他の部下に示しがつきません。言い過ぎるとハラスメントになるのではないかと気になっています。(50代男性)



【回答】職場にはいろいろな人がいます。それぞれが持つ経験や考え方が違う方々をまとめ、成果を上げなければならない中間管理職の立場にいるあなたは、さぞかしご苦労の多いことでしょう。

 私自身は会社のような所で働いていたのは30代半ばまでだったので、あなたに対して的確なお答えができるかどうか少し不安です。そのことを踏まえていくつか思うことを述べさせていただきます。

 仕事はできるけれど時間に少しルーズな新入社員のことですね。本人に何か理由があるのでしょうか。人は表に見せる顔だけではなく、さまざまなことを抱えているとも考えられます。時間を守ることは最低限のモラルだと厳しく注意するのではなく、本人の相談に乗るように話を聞いてみるのはいかがでしょうか。その際上司のあなたではなく、その方が心を許す同僚に役目を果たしてもらうのも一法です。

 次に職場をラグビーやバレーボール、その他のスポーツに例えてみます。勝利を目指す点では職場の全員同じですが、社員個々の性格やレベルに応じて果たすべき役割は違っています。難しいことですが、お互いの状況を理解し合う場を設けて一人一人がさらに成長していく機会を作り上げるのです。そうして成果を上げた時、ともに喜び合えると思います。

 最後にハラスメントとは何か、どういう言葉や態度がパワハラになるのか。課内全員で学び共有することは大切です。職場とはいえ、不思議なご縁で人生の大事な時間をともに過ごすのです。すてきな出遇(であ)いの場になるよう願っています。
長倉伯博さん
1953年、鹿児島市出身。善福寺住職。国立滋賀医科大学などで非常勤講師。鹿児島緩和ケア・ネットワークや鹿児島いのちの電話など幅広く活動。

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