鹿児島国体まで2年 新型コロナで延期、強化指導員相次ぎ離脱 選手強化策は苦戦の連続

2021/10/07 09:00
鹿児島国体をPRするカウントダウンボード=6日、鹿児島県庁
鹿児島国体をPRするカウントダウンボード=6日、鹿児島県庁
 新型コロナウイルスの影響で2023年に延期された鹿児島国体開幕まで、7日であと2年となった。県は今年3月、競技力向上3カ年計画を新たに策定。改めて天皇杯(男女総合優勝)・皇后杯(女子総合優勝)獲得への再挑戦を掲げ、大会の機運再醸成と戦力の充実に取り組む。コロナ禍で活動が制限されるなか、県はPR活動や選手強化を活発化していく考えだ。

 鹿児島国体は23年10月7~17日に実施される。20年秋に第75回大会として開催予定だったが、新型コロナ感染拡大で3年後に延期。回数は付けず特別大会として扱う。

■大幅減員

 県は20年の地元国体に向け、9カ年計画で競技力の底上げを図ってきた。延期の影響を大きく受けたのが、全国トップレベルの選手を県選手として受け入れる強化指導員だ。

 20年度に委嘱した93人のうち、71人は翌年の契約を更新せず。ジュニア選手の指導を続けながら23年も県選手として出場する岡澤セオン選手(25)=ボクシング=ら8人を除き、天皇杯獲得へ得点源となるはずだった63人が鹿児島を離れた。

 県は本年度、新規に8人を委嘱し、現在は30人。今後も増強する考えだが、23年度は20年度に遠く及ばない50人程度になる見込みという。県競技力向上対策課は「限られた予算で有力選手をどれだけ招けるかが勝負になる」としている。

■振り出し

 今秋の三重国体がコロナ禍で中止になったことも影を落とす。県は、21年三重で20位台、22年栃木で10位台という青写真を描いていた。同課は「実力は想定ライン上にあると思うが、現時点の全国でのレベルを測れなかったのは痛かった」。

 少年世代の育成は振り出しに戻った。強化指定校に配置している、指導力の高い教諭も赴任年数が長期化し「23年まで異動を凍結するなど早い判断がほしい」との声が上がる。

 「県民に夢と感動と活力」を掲げる県。出遅れたPRイベントや強化遠征なども活性化させる予定だ。なお不透明なコロナ下、51年ぶりの国体開催へ模索は続く。

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