与次郎に「ベルコモンズ」=1976(昭和51)年■「砂漠」に出現した若者の街

2022/07/20 13:51
1軒だけ立つ鹿児島ベルコモンズ。周りは空き地ばかりで「与次郎砂漠」と言われた=1977年
1軒だけ立つ鹿児島ベルコモンズ。周りは空き地ばかりで「与次郎砂漠」と言われた=1977年
 周囲を空き地に囲まれた一角に、ぽつねんと出現した街。1976(昭和51)年、鹿児島市与次郎の埋め立て地にオープンした「ベルコモンズ」だ。

 若者向けの最先端ファッション店やハンバーガーショップなど40店舗以上が軒を連ねた。白い壁にオレンジの屋根、地下や1階、2階など複雑な構造。斬新さも相まって当時、鹿児島が全国に誇ったしゃれた街だった。

 「与次郎砂漠」と言われた埋め立て地に生まれたオアシスのような街は、初めこそ多くの若者や家族連れでにぎわった。しかし、1日にバスが9本と交通アクセスが悪く、1年たったころから客足が遠のいた。店はくしの歯が欠けるように撤退し、80年に営業を停止した。

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