売れ行きが好調だった浴衣=鹿児島市の山形屋
新型コロナウイルスの感染者数が高止まりする一方、3年ぶりに行動制限がなかった今年の夏。鹿児島県内では厳しい暑さが続く中、多くの人が久しぶりの帰省や外出を楽しんだ。鹿児島市内で聞いた売れ筋商品から傾向が見える。
鹿児島ロフトでは、祝儀袋やお盆玉を入れるポチ袋の売り上げが昨年の約2倍となった。担当者は「結婚式や帰省する人が増え、お祝いなどを渡す機会が多かったため」と分析する。特にポチ袋は子どもが夏休みに入る7月下旬から8月が好調だった。
山形屋では浴衣の売り上げが昨年の約2倍、コロナ禍前の約9割に達した。婦人服呉服統括部の後潟亮さんは「久しぶりの祭りを楽しみにして買い替える人や、初めて買う人も多かった」。家族連れや恋人同士で訪れ、いっしょに購入する人たちもいた。7月の照国神社六月灯、8月のサマーナイト大花火大会の前は特に客が増えたという。
例年より早く梅雨明けした影響もあった。ビックカメラ鹿児島中央駅店では、エアコンの6月後半から7月初めの売り上げが前年比2.5倍。平均購入単価は昨年より1万円上がった。担当者は「電気料金が上がっていることもあって、節電できる省エネのタイプが人気だった」と話す。
南九州ファミリーマートではフローズンドリンクのフラッペが好調。イチゴやコーヒーなどの定番の味に加え、高級チョコレート菓子で知られるゴディバなどとのコラボ商品も売り上げを後押しする。平年より気温が高かったため、昨年よりも売り上げが伸びたという。