安倍氏国葬 賛否の中で 参列者「感謝とお別れ伝えられた」 欠席組「物価高の中、税金の使い道 説明不足のまま」

2022/09/28 12:24
安倍元首相の国葬に合わせ、県庁に掲げられた半旗=鹿児島市鴨池新町
安倍元首相の国葬に合わせ、県庁に掲げられた半旗=鹿児島市鴨池新町
 安倍晋三元首相の国葬が行われた27日、会場入りした鹿児島県内の政治経済関係者は印象的な場面を思い返し、「感謝とお別れができた」「心がこもっていた」と改めて冥福を祈った。一方、参列を見送った国会議員からは「国民への説明は不足したままだ」との声が上がった。

 会場に向かう専用バスの車中で、一般向け献花の長蛇の列に驚いたという塩田康一知事は他の都道府県知事と一緒に花をささげた。「厳かな雰囲気で心がこもっていた。安倍氏の映像が流れ、東北の復興や東京五輪誘致など尽力したことが懐かしかった」と述べた。

 「昭恵夫人が遺骨を持って現れた時は涙が出た」と振り返るのは、全国商工会連合会長の森義久・県連合会長。小規模企業振興基本法の成立を安倍氏の功績に挙げ、「感謝とお別れを伝えられて良かった」。

 安倍、菅義偉両政権を自民党国対委員長として支えた森山裕衆院議員(鹿児島4区)は、友人代表で追悼した菅氏の言葉に聞き入った。「二人の絆の強さに感銘を受けた」と安倍氏をしのび、「寂しさは消えないが、目指してきた政治を進めるべきは進める」と決意を新たにした。

 ただ、経費を含め国葬そのものに賛否が割れる中での開催となった。県関係の国会議員9人のうち、立憲民主党の野間健衆院議員(鹿児島3区)と村田享子参院議員(比例代表)は欠席した。

 野間氏は「国会審議を経ずに実施が決まり、法的根拠もないのは問題だ」と反対世論を代弁。エリザベス英女王の国葬と比べても弔問外交に物足りなさが残るとし、「物価高で苦しい生活を強いられている国民に、税金の使い道の説明が足りていない」と批判した。

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