全日本インカレ男子ロードレースで事故が起きた県道=南大隅町根占
日本学生自転車競技連盟は1日、鹿児島県南大隅町と錦江町で9月4日に開かれた全日本大学対抗選手権(インカレ)自転車競技・ロードレース中に選手が集団で転倒し、法政大1年生(19)が亡くなった事故の経過報告書を発表した。遺族の父親は「息子の死が無駄にならないように安全性を高めて競技を再開し、前に進んでほしい」とコメントした。
報告書などによると、集団前方の選手が転倒、後方の複数が避けきれず連鎖的に転倒したとみられる。選手への聞き取り調査によって24人が落車したとみられるが、集団全体の人数は分かっていない。
南大隅町根占の県道で事故は起きた。集団の後ろを走っていたドクターカーが午前10時57分に救急要請、8分後に救急車が到着した。レース中断も検討したが救護活動に支障はないと判断して競技を続けた。
事故を受けて、連盟主催の2大会が中止となり、10、11月の5大会も開催を見送る。10月末には安全講習会をリモート形式で開く予定。連盟の松倉信裕副会長は「選手やコーチ、大会役員の安全意識向上に努めるとともに、安全対策についても検討して公表する」とコメントした。