鹿児島県教育委員会は25日、PTA関係の口座から97万円を着服するなどしたとして、県内の中学校教頭(54)を懲戒免職とした。懲戒処分は本年度5件目で、免職は初めて。
県教委によると、教頭は2021年7~11月、同校PTAの積立金と研修視察用の2口座から15回にわたり計97万円を着服。22年9月上旬には、同校の金庫から3万3500円を盗んだ。同月下旬、同僚が異変に気付き発覚。10月下旬、県教委が本人へ事実確認したところ着服などを認めた。
教頭はもともと2口座の通帳の届出印を管理しており、21年7月からは通帳も預かっていた。金庫から金を盗んだ際は、鍵を保管する職員が不在の間、鍵を預かっていた。動機について「借金の返済や生活費に充てるためだった」と話しているという。
県教委は、全額弁済しており懲戒免職処分を受けたとして刑事告発しない方針。県教職員課は「極めて遺憾。全教職員に教育者としての立場を自覚させ、県民の信頼を損なうことがないよう指導を徹底する」とコメントした。