2014年に3校が統合して誕生した大崎中学校=大崎町仮宿
志布志湾に面し、7キロにわたる白砂青松の海岸線を持つ大崎町で唯一の中学校。創立9年目で校歌には、くにの松原や横瀬古墳、照日神社など名所旧跡にちなんだ歌詞が登場する。竹本准校長は「地域の文化、歴史が歌詞に入っているところがいい」と語る。
作詞は志學館大学の原口泉教授。作曲を担当した鹿児島大学の石田匡志〔ただし〕准教授は「新しい学校なので校歌も古くさくない感じにしたかった。しっかり校歌らしさは持ち、親しみやすく何度歌ってもあきない曲にしたいと考えた」と当時を振り返る。
新型コロナウイルス拡大の影響で、生徒が行事などで校歌を歌うことは減った。そこで校歌に触れる機会を増やそうと毎朝5分間、オルゴールの曲を校内に流している。
校歌ができたとき、3番にある「照日輝く未来への 夢を抱いて進む道」の歌詞を入れたポロシャツも製作。未来志向の校風にぴったりと、今でも教員が“ユニホーム”として使う。生徒会副会長の3年大野翔海〔しょうま〕さんは「清らかな星創〔つく〕るのは 我〔われ〕ら大崎中学生」という歌詞がお気に入り。「生徒が主体的に行動する特徴が校歌に表れている」
学校は特色ある教育活動に熱心だ。昨年は「ミツバチプロジェクト」として校内で養蜂に挑戦し、ハチミツを朝市で生徒自身が販売した。
生徒会長の3年新越〔しんこし〕ひかるさんは「言葉を先に礼を後に、という『語先後礼』が徹底されている。生徒も明るく行事に活発に取り組んでいる」。新しい学校の伝統と歴史を自分たちで作り上げる気概を感じさせた。
●メモ 2014年に旧大崎、菱田、大崎第一の3中学校を統合し創立。「アクティブ大崎中~みんなが応援したくなる学校」をキャッチフレーズに、SDGs(持続可能な開発目標)、コミュニティスクールなどの取り組みに力を入れる。校訓は「向学・共生・剛健」。生徒数297人。
(南日本新聞2022年10月31日付)