南日本新聞社と九州経済研究所(KER、鹿児島市)は共同で、鹿児島県内の企業に2024年新卒採用計画のアンケートを実施した。採用「あり」と答えた企業は60%で、前年より3ポイント増えた。このうち「予定数の確保は難しそう」が8ポイント増の81%を占め、学生の県外志向や全国的な採用意欲の高まりで、人材確保を不安視する姿が浮かぶ。
採用「あり」とした企業のうち、人数を「増やす」が44%(11ポイント増)、「前年並み」が51%(10ポイント減)となった。「増やす」「前年並み」とする理由(複数回答)は、「人手不足対策」が66%(8ポイント増)で最も多かった。
「予定数の確保は難しそう」とする理由(複数回答)は、「全体的な求人数の増加」が61%(8ポイント増)と最多で、次いで「県外志向が強い」が36%(1ポイント増)。一方で「予定数を確保できそう」の理由(複数回答)は、前年トップだった「県内就職志向の高まり」が15ポイント減。新型コロナウイルス禍で上向いた県内企業への関心が、全国的な採用環境の改善もあって薄れているとみられる。
新卒者の労働条件を「改善する」は8ポイント伸びて42%と、人材確保も目的に待遇を見直す動きが広がっている。改善の内容は「初任給の引き上げ」が最多で73%(6ポイント増)だった。
24年新卒の採用計画が「なし」は20%、「未定」は20%だった。
調査は1月下旬~2月下旬、県内に本社や事業所がある516社にメールか郵送で実施。有効回答率は64.3%(332社)だった。23年春の採用実績なども尋ねた。