JR九州が運用する高金利の預金制度があるなどとうそを言い、現金をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われたJR九州グループ会社元役員の男(69)=鹿児島市伊敷台2丁目=は19日、鹿児島地裁(川口洋平裁判官)での公判で、「だますつもりはなかった。被害者に謝っても謝りきれない」と述べた。
同日の公判では、1998年ごろ小中学校時代の同級生から現金を集め始め、返済のために農園経営や株式投資に手を出していたことが明らかになった。
被告人質問で弁護人から詐欺を繰り返した理由を問われ「(お金を増やして)返すと喜ばれるため、錯覚に陥った」と説明。契約証書にJRのものに似た印鑑を用いた理由について「最初は手書きの証書だったが、より信用してもらうために偽造した」と述べた。
同種の詐欺罪でこれまで10回起訴された。起訴状などによると、複数の知人に「役員だけが紹介できる高金利のプランがある」などとうそを言い、2015年~21年までに、合計約1億5520万円をだまし取ったとされる。