特攻隊員の遺書を朗読する高校生=15日、南さつま市加世田高橋
終戦の日の15日、鹿児島県南さつま市の旧陸軍万世飛行場から出撃した特攻隊員の遺書の朗読会が、万世特攻平和祈念館(同市)であった。隊員たちが家族や大切な人に伝えたかった思いを同世代の高校生が朗読し、平和の尊さを訴えた。
朗読会は、高校生の声で語り継ぐことにより多くの人の記憶に刻まれることを願い2021年に始まった。今年は、鹿児島純心女子高校(鹿児島市)の放送部員7人が17〜24歳の隊員17人の遺書を読み上げた。
「御写真を胸に抱いて必沈させます」と書かれた父母宛ての遺書を読んだ2年の福田葉菜さんは「感謝、後悔、決意などさまざまな思いが込められていた。その心を受け継ぎ、伝えていきたい」。1年の真鍋華琉さんは「死ぬ、どうもまだぴんと来ません」と記した隊員の言葉に共感し「悲しい気持ちになった。多くの若い犠牲を忘れてはならない」と語った。
朗読は2回あり、計約150人が耳を傾けた。地元の万世中1年の飯塚玲愛さん、松野下愛莉さんは「犠牲になった方々のためにも二度と戦争をしないよう誓いたい」と話した。