鹿児島城西6区の小田(右)がアンカー花輪にたすきをつなぐ=指宿市
第74回鹿児島県高校駅伝、第37回鹿児島県高校女子駅伝は2日、指宿市営陸上競技場を発着する男子7区間42.195キロ、女子5区間21.0975キロのコースであった。男子は鹿児島城西が2時間4分30秒の大会新記録で5年ぶり2度目の優勝を飾った。女子は神村学園が1時間7分38秒で8年連続30度目の頂点に立った。
男子の2位は出水中央、3位は鹿児島実。女子の2位は鳳凰、3位は鹿児島だった。
男女ともに、1位が全国大会(12月24日・京都市)、3位までが九州大会(11月18日・長崎県)に出場する。
前回から大きくタイムを縮めた躍進賞は男子が鹿児島高専、女子は松陽が獲得した。
■手に汗握る一騎打ち
「みんなありがとう」。鹿児島城西のアンカー花輪は先頭でゴールテープを切ると、そのまま仲間の歓喜の輪に飛び込んだ。チームスローガン「下克上」を達成した瞬間、選手たちの目からはうれし涙が止めどなく流れた。
2連覇中の出水中央との手に汗握る一騎打ち。「重圧のかかるアンカーを楽に走らせたかった」と、6区小田が勝利を引き寄せる快走を見せる。昨年、区間記録を更新した得意のコースとは相性ぴったり。序盤からペースを上げると、中継所で5秒だったリードを47秒差まで広げた。
持ち味のスピードを生かすべく、夏の種子島合宿などでスタミナ強化を図ったチーム。2年の櫨元、小園が好走して2区で先頭に立つと、エース区間では3年が意地を見せた。
鹿児島国体の800メートルの覇者・立迫は、3区約8キロの長丁場でも地力を発揮。ハイペースの外国人留学生に食らいつき、得意のスパートで最後に抜き返した。
5区では2年山口が区間タイ記録。「国体や県新人大会での仲間の活躍が刺激になった。勢いに乗って臨めた」と振り返る。
大会記録を更新したフィニッシュタイムは、全国優勝した2010年の鹿児島実を上回る。4区で相手エースに真っ向勝負を挑んだ齊藤をはじめ、勇猛果敢な走りが際立った。
創部20年の節目につかんだ5年ぶり2度目の大舞台。全国入賞を目指す選手たちの、真の「下克上」はこれから始まる。