5人姉妹の次女、周囲の評価は「芯が強くパッションにあふれる」|樋之口里花氏(52)

2024/06/21 16:00
樋之口里花氏
樋之口里花氏
 鹿児島大学医療技術短期大学部を卒業後、看護師の道へ進んだ。「命に向き合う日々は充実していた」と振り返る。病と闘う人を支え、無情にも命の火が消える瞬間に幾度も立ち会った。この経験が「命や暮らしが大事にされる鹿児島県をつくりたい」との思いの礎になっている。

 今回の知事選では県が鹿児島港本港区ドルフィンポート跡に計画する新総合体育館が話題となり、このままでは九州電力川内原発(薩摩川内市)の運転延長や西之表市馬毛島での自衛隊基地建設が争点にならないと危惧。「投票を棄権するしかない」との声を聞き「選択肢を広げたい」と立候補を決意した。

 23年10月、市民団体の一員として川内原発運転延長の是非を問う県民投票条例制定を直接請求した。必要数の倍近い約4万6000筆の署名を集めながらも県議会は否決。「あの時の悔しさは忘れられない。命に関わることが勝手に決められている」。だからこそ「大事なことは県民の声で決める」と、議会の議決を経ずに県民投票を実施できる条例制定をマニフェスト(政策綱領)の重点政策に掲げた。

 霧島市生まれ。五人姉妹の次女で「笑顔が絶えない、にぎやかな家庭で育った」。教員だった父の転勤で、小学校は霧島、奄美両市の3校に通った。中でも奄美市笠利の赤木名小で過ごした4年間は「本当にいい思い出がたくさんある。幸せな子ども時代だった」。家の目に広がる海で毎日のように泳ぎ、真っ黒に日焼けしていたと笑う。

 人物評は「芯が強くパッションにあふれた人」。市民運動の先頭に立ち、粘り強く自治体と交渉してきた姿勢に周囲は厚い信頼を寄せる。

 2女1男は独立し、鹿児島市に夫と二人暮らし。「掃除、洗濯、食器洗い、何でもやります」という夫の全面支援を受け、初めての選挙戦に臨む。英ロックバンド「クイーン」のヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」をキーボードで弾くのが息抜きだ。

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