【知事選アンケート】米丸麻希子氏の回答

2024/07/01 10:20
米丸麻希子氏
米丸麻希子氏
 鹿児島県知事選の投開票(7日)が迫ってきた。候補者3人に県政の課題などについてアンケートをした。

 Q ドルフィンポート跡地への新総合体育館計画について、景観面や膨らむ事業費を理由に反対する声があります。どう考えますか。

 ドルフィンポート跡地一帯は、鹿児島県が世界に誇る景勝地、県民にとって唯一無二の財産であり景観を守るべき。壮大な桜島と錦江湾の風景を誰もが楽しめ、鹿児島の食や暮らし・文化などを丸ごと世界に発信できる公共スペースにすべきと考える。現有体育館の建て直しは必要だが、大幅増加した313億円という費用は規模の適正化と建設時期、場所の再検討、財政支出の優先順位など見直す必要がある。

 Q 中山間地の小規模農家のためにどんな政策を展開しますか。

 本県の農産物販売額500万円以下の農家割合は約73%で、早急な支援が必要。農業所得の向上策として、マーケティング・ブランド戦略室の設置、オーガニックビレッジづくり、女性参画による農業経営基盤の強化。

 Q 政治家を目指すきっかけは何ですか。

 12歳の時に出会ったマーガレット・サッチャーとマザー・テレサの言葉に影響を受けた。

 Q 川内原発が運転延長されます。九電や国とはどのようなスタンスで向き合いますか。

 県民が不安や心配のない生活を実現するために、将来的に原子力発電はない方がよく、なくしていくべきという基本的な考えである。2050年までのカーボンニュートラルに向けて地域資源等を活用した再生可能エネルギーの発電量を拡大し、原発は段階的に削減する。運転延長は1回限りとし再延長しない。原子力発電関係団体協議会において県民の生活を最優先に考え、立地道県13道県と協力して国に対する要望を積極的に行う。

 Q 水俣病の早期解決に向け、県として何ができますか。

 疫学調査と医学的検査の実施、認定審査会の審査などの迅速化、国への指定地域の見直し要請、国・関係市町村と連携した水俣病患者を対象とした地域生活支援などの生活支援体制の整備強化。

 Q リーダーシップ、親しみやすさ、行動力、聞く力-。知事に最も求められる資質は。

 夢を描けること。将来のビジョンを持ち、それを県民と共有し、実現に向けて努力すること。

 Q 南西諸島で自衛隊の防衛力強化が進んでいます。どう考えますか。

 馬毛島を含む南西諸島と関係市町村の安定と繁栄、平和と安全のため、国と関係者に責任ある行動を強く求める。馬毛島基地の諸問題については、その解決に向け、国、県、関係市町、関係事業者との連絡協議会を設置すべきと考える。鹿児島県は、地政学的に重要な位置にあるという認識の上で周辺諸国との関係維持に努め、県民の生命財産を守るべく地域平和交流部署を設置し、特にアジア、太平洋地域との平和外交を積極的に進める。

 Q 県の財政運営の現状と今後の在り方について考えを聞かせてください。

 本県は自主財源に乏しく地方交付税等は厳しい調整が予想される。扶助費、県有施設の老朽化対策、国土強じん化対策等は増加。子育て環境整備、社会保障充実、社会資本整備や県民福祉の事業推進で財政の健全化を図る。

 Q 10代の若い有権者、子どもたちにお薦めしたい本は。

 北杜夫「父ちゃんは大変人」。世の中、考え次第でどうにでもなることを学んだ。

 Q 人口減少が止まりません。2023年の出生数は1万人を切りました。どんな対策が必要ですか。

 少子・高齢化と人口減対策は、女性活躍、産業振興、医療・福祉にも直結する鹿児島県の最重要課題であると認識している。「子どもファースト戦略」による出産・子育て環境の整備、若い世代の就労・婚姻比率の引き上げ策など積極的な人口減対策を講じる。特に産業振興、地域経済循環の改善により「雇用創出」「所得向上」などの施策を推進し、県内で安定した生活が営める環境を整備する。

 Q 県内でもプロスポーツが盛んになってきました。県としてどのように支援しますか。

 県内に拠点を置くプロスポーツチームと連携し、スポーツを核とした地域活性化やイベント等への補助金交付、キャンプ情報など本県のスポーツに関するさまざまな情報を県内外に発信するなど支援を講じる。

 Q 無人島に何か一つだけ持って行くとしたら? 理由も。

 3人の小学生のおいっ子たちの写真。無人島で一人になっても、見るたびに生きる気力がでてくる。

 Q インバウンドを含め観光分野でどんな戦略を描いていますか。

 観光は国内外からお金を稼ぐ基盤産業。県全体を俯瞰(ふかん)した総合観光戦略やエリア観光開発計画を策定し、県土の潜在的な魅力を観光振興につなげる。サイクルツーリズム、ヘルスツーリズムなどニューツーリズムによる観光旅行の開拓と滞在型観光客の確保など地方創生観光戦略を進める。インバウンド観光の玄関口、鹿児島空港の国際航空路線網拡充やビジネスジェット専用ターミナル利用促進など空港の再整備と民営化を進める。

 Q 地方の県立高校で定員割れが続いています。県としてどう対応しますか。

 地域性を生かす、グローバルな教育を目指すなど、各高校の特色ある教育が明確になるよう取り組む。経験豊富な民間の人材を登用する。居住地によって進学の可否が制限される学区制の撤廃を進める。

 Q 最近うれしかったことは?

 知事選挙をきっかけに、友人や親戚と数十年ぶりに会えたり、新たな出会いがあったりしたこと。

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