塩田康一氏
鹿児島県知事選の投開票(7日)が迫ってきた。候補者3人に県政の課題などについてアンケートをした。
Q ドルフィンポート跡地への新総合体育館計画について、景観面や膨らむ事業費を理由に反対する声があります。どう考えますか。
景観については、どこからの景観を保全するかということなどについて、まちづくりや建築の専門家のご意見も踏まえ、ガイドラインを策定。新たな体育館の整備に当たっては、ウオーターフロントパークを保全し、ガイドラインを順守することとしている。また建設費と15年間の運営経費の合計313億円については、国庫や基金を活用し、行財政改革に取り組みながら、他の事業に影響が出ないよう適切に対応する。
Q 中山間地の小規模農家のためにどんな政策を展開しますか。
地域の特性を生かし、持続的な発展を図るため、集落内外の組織や非農家の住民の協力など、活動組織の広域化や人材確保等を進め、中山間地域等における生産活動の支援を行う日本型直接支払制度の活用を推進する。
Q 政治家を目指すきっかけは何ですか。
ふるさと鹿児島のために役立ちたいと思ったことがきっかけ。
Q 川内原発が運転延長されます。九電や国とはどのようなスタンスで向き合いますか。
川内原発については、安全性の確保が最優先であり、運転期間の延長は、県原子力専門委員会で科学的・技術的に徹底的に検証を行い、その結果や原子力規制委員会の審査内容等を踏まえ、了承することとした。原発の立地県として、常に事故の発生を念頭に置き、県民の生命と暮らしを守ることを基本に、引き続き、国と九州電力に対し、安全性の確保を求めるとともに、原発に関する県民への分かりやすい情報発信・説明等を求めていく。
Q 水俣病の早期解決に向け、県として何ができますか。
県としては、公害健康被害補償法に基づく水俣病認定申請の審査や、水俣病被害者手帳所持者に対する療養費の支給、救済措置に該当しなかった方で健康不安のある方に対する健診などの取組を着実に進めてまいりたい。
Q リーダーシップ、親しみやすさ、行動力、聞く力-。知事に最も求められる資質は。
県民の皆さんの声をしっかりと聞き、決断し、実行すること。
Q 南西諸島で自衛隊の防衛力強化が進んでいます。どう考えますか。
わが国周辺を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増している状況にあることを踏まえれば、南西地域の防衛体制の抜本強化などを進める国の考え方については、理解し得るものであると考えている。
私としては、地域住民の間に不安や懸念が生じることのないよう、国に対し、地元への丁寧な情報提供に努め、十分な説明責任を果たすよう求めてまいりたい。
Q 県の財政運営の現状と今後の在り方について考えを聞かせてください。
自主財源が乏しい脆弱(ぜいじゃく)な財政構造で、扶助費の増加傾向などを踏まえると予断を許さない。行財政改革に取り組み、将来にわたって持続可能な財政構造を構築しつつ、メリハリの効いた予算編成を行う必要。
Q 10代の若い有権者、子どもたちにお薦めしたい本は。
「ある少年の夢 稲盛和夫創業の原点」
Q 人口減少が止まりません。2023年の出生数は1万人を切りました。どんな対策が必要ですか。
人口減少を迎える中、地域社会の維持発展に向け、若い人たちが地域で暮らしていくためには、稼ぐ力を向上させることが重要。生産基盤の強化、輸出拡大等による農林水産業の振興、国内外からの誘客促進、観光地の高付加価値化などによる観光関連産業の振興、中小企業の生産性と付加価値の向上や、新産業創出などに取り組む。また、本県の将来を支える人材の確保・育成に向けて、子ども・子育て支援施策の充実・強化を図る。
Q 県内でもプロスポーツが盛んになってきました。県としてどのように支援しますか。
プロスポーツは交流人口の増加や本県のPRに貢献し、地域に活力を与えるといった効果をもたらすことから、関係機関・団体と一体となって、チームの活動を支援するとともに、集客やにぎわい創出に取り組む。
Q 無人島に何か一つだけ持って行くとしたら? 理由も。
何も持っていかない。
Q インバウンドを含め観光分野でどんな戦略を描いていますか。
今後増加が期待されるインバウンドの受け入れ体制整備や富裕層向けの高付加価値な観光地づくり、人材育成などの対策が必要。観光ガイドやコーディネーターの養成支援、長期滞在や観光消費額の増加につながるコンテンツ造成などに取り組む。また鹿児島発着を含め国際クルーズ船を誘致し、水上交通や新幹線を生かしたツアーの造成に取り組む。鹿児島空港の新規路線の開設など国内・国際路線の充実にも取り組む。
Q 地方の県立高校で定員割れが続いています。県としてどう対応しますか。
定員割れとなっている小規模校は、離島や通学手段が限られた中山間地域に多く、近年、地域振興の核としての役割も期待。生徒がどの高校に進学しても、充実した学校生活を送れるよう県立高校の魅力化を図っていく。
Q 最近うれしかったことは?
奄美大島・徳之島の世界遺産登録。全国和牛能力共進会での日本一。かごしま国体・大会での県選手団の活躍。