お目当ての白熊が届き、早速撮影する客=鹿児島市千日町の「天文館むじゃき本店」
鹿児島の夏の風物詩として有名なかき氷「白熊(しろくま)」。戦後間もない頃から変わらぬ味を提供する鹿児島市千日町の天文館むじゃきは、平日も行列ができる。
同社の白熊は、創始者の故・久保武さんが1947(昭和22)年に考案。レーズン(目と口)やサクランボ(鼻)などの配置が動物のシロクマの顔に似ているため名付けられた。全体にかかったミルクも「黄みがかって体毛に近い」と専務の前田華代さん(49)。
そのミルクは秘伝で特徴の一つだ。レシピを知るのは創始者一族の長男のみで、まさに一子相伝の味。県産練乳に卵などを加えており、甘くて濃厚だが後味さっぱりで癖になる。
氷を削るのは専門の職人。音を聞きながら刃を調整し、ふわふわ食感にこだわる。トッピングも黄桃や季節のフルーツ、寒天、白豆など11種類と豊富で彩りを添えている。レギュラーサイズ(直径約15センチ、高さ16~17センチ)で900円。
本店の2店舗では、チョコレート白熊や宇治金時など15種類(期間限定を除く)の味を楽しめる。
◇天文館むじゃき 鹿児島市千日町5の8。7~9月は定休日なし。通常は午前11時~午後7時、白熊は同6時半まで(土日祝や盆期間など延長あり)。持ち帰り、全国宅配も可。問い合わせ=099(222)6904。