黒子に徹し11年。4度目の夏甲子園へ。元営業マンは選手との対話を大事にする。信条は「心に響かせないと立ち振る舞いは変わらない」

2024/07/28 12:00
神村学園高野球部部長の塩田将孝さん
神村学園高野球部部長の塩田将孝さん
■「かお」2年連続で夏の甲子園出場を決めた神村学園高野球部部長・塩田将孝(しおた・まさたか)さん

 部長として4度目の夏の甲子園出場が決まった瞬間、小田大介監督と笑顔で握手を交わし、何度も拳を握った。部長を務め11年目。普段はあまり感情を表に出さないが、喜びが自然にあふれ出した。

 伝統校・樟南を相手にした決勝戦は、ベンチで選手と同じ最前列に陣取り、ナインを鼓舞し続けた。「1アウトを取る難しさを1、2年生にも伝えたかった」と声を張り続けた。

 生まれは愛媛県。自動車販売の営業マンを経て監督から野球部長として誘われ、学校では社会科の教諭も務める。

 グラウンドと教壇で、見せる表情には違いがある。教室では高校生と同じ目線で立ち、怒らない。生徒たちが居眠りせず、興味を持ってもらえるような授業内容を心がけている。一方、グラウンドでは、選手の心に火を付けるような熱い人になる。グラウンドでの立ち振る舞いに足りないと思うところがあれば、落ち着いた場所で席に座らせて選手と話す。「心に響かせないといけない」と対面での会話を重視する。

 帽子のつばに記した文字「影」は黒子に徹する覚悟を表す。「選手たちは日に当たり、自分は影としてくっきり選手たちの中にいられればいい」と謙虚に語る。県の高校野球界の環境整備にも貢献したいと願う。

 息抜きは、温泉のサウナで汗を流すこと。サウナハットまで購入するはまりぶり。甲子園前にもう一汗かき、もうひと頑張りしたいと意気込む44歳。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >