鹿児島市立錫山小中学校|経緯は不明…小と中で一部異なる歌詞

2024/10/01 05:00
玄関前にシンボルのクロガネモチ「なかよしの木」が立つ=鹿児島市
玄関前にシンボルのクロガネモチ「なかよしの木」が立つ=鹿児島市
 鹿児島市唯一の小中併設校、錫山小中学校は豊かな緑に囲まれた標高360メートルの山間部に立つ。地名の通り江戸期に発見されたスズ鉱床の採掘で栄えた。南薩縦貫道などが整備されたが、歌詞<山なみ清く ほのぼのと>のような景色が、変わらず広がっている。

 校歌制定は1952年。県内多くの学校に足跡を残す、簑手重則さんと西勇恕さんの名コンビが手がけた。立神山や美濃岳など地域の自然を歌い上げる。

 小中併設校は同じ校歌である場合が多いが、錫山の場合、中学の歌詞が一部異なる。小学校の1番<なかよしこよし きょうもまた>に対し、中学校は<自主の心を ひとすじに>。中学1年、町田陽菜多さんは「小学生の歌声につられることがある」と笑う。

 いつ、だれが詞を変えたのか。経緯は不明だが、中学校の歌詞は93年度学校要覧から記載されている。

 地域密着の小規模校で、住民が校歌に触れる機会も多い。長年地元で暮らす山崎和子さん(93)は「子どもたちの歌を聴いて自然と覚えた」と口ずさむ。藤崎リエ子さん(80)は「錫山の景色や懐かしい始業の鐘も詞に出てくる。本当にいい歌」。

●メモ 1879(明治12)年、錫山総会所を校舎に小学校が開校。1947年に錫山小学校と改称、中学校も旧谷山町の第二中学校錫山分校として開校。56年に小中併設となった。特認校でもあり、児童生徒は計28人。市内の学校で最古のセンダンの木が立つ。

■鹿児島市立錫山小中学校 校歌
作詞・簑手 重則
作曲・西 勇恕
※()内は中学校の歌詞


山なみ清く ほのぼのと 
みどりの風は 朝をよぶ 
なかよし こよし きょうもまた
(自主の心を ひとすじに)
正しく学ぼう 鐘が鳴る 
ああ 鐘が鳴る 錫山校


立神山よ うぶすなの 
心を結び 手をとって
なかよし こよし ほがらかに
(優愛共に うるわしく)
明るく進もう 歌が湧く 
ああ 歌が湧く 錫山校


理想も高く 美濃岳の 
かがやく雲に こだまして
なかよし こよし 元気よく
(英知を磨き たくましく)
大きく生きよう 夢がよぶ
ああ 夢がよぶ 錫山校

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