ウオークスルー方式の新館で愛らしい姿を見せるコアラ=9月29日、鹿児島市の平川動物公園
鹿児島市の平川動物公園に国内で初めてコアラを迎え10月25日で40年を迎える。1984年、オーストラリアから同園を含む3動物園へ2頭ずつ寄贈され、現在は全国7施設に約50頭いるうち、平川で国内最多の18頭を飼育する。すっかり人気者として定着したコアラ来日の節目を記念し、同園ではさまざまなイベントを計画している。
同園は10年に及ぶ誘致活動を経て迎え、餌のユーカリ栽培に挑み、手探りで飼育技術を確立。国内外の動物園と連携して繁殖活動に取り組んだ結果、安定した数を確保している。2021年には歩きながら観察できるウオークスルー方式の新コアラ館がオープン。愛らしい姿を間近で観察できるようになった。
日本動物園水族館協会は10月25日を「コアラの日」と定め、全国各地の動物園でイベントが行われる。平川では26日に「野生のコアラを守ろう」と題し、午前11時20分からコアラ館ガラス展示室で現状を紹介する。27日は同館のバックヤード見学を午前11時15分から実施。ユーカリ保管用冷蔵庫や寝室棟を見学できる。いずれも参加無料。
同園の桜井普子飼育展示課長は「コアラを見に来園する皆さんの応援で今がある。不思議な生態や野生の環境をもっと知ってほしい」と話している。