原因は台風非接近?…サンゴ白化が過去最大規模、調査全地点で「死滅」確認 奄美海洋生物研究会

2024/12/11 07:03
白化現象で死滅したサンゴ=10月、大和村思勝湾(興克樹さん撮影)
白化現象で死滅したサンゴ=10月、大和村思勝湾(興克樹さん撮影)
 奄美海洋生物研究会は10日、鹿児島県・奄美大島周辺海域のサンゴ礁を10〜11月に調査し、全63地点で白化現象による死滅を確認したと発表した。今季の発生は過去最大の影響をもたらした1998年の大規模白化に匹敵する規模だとしている。

 同会は目視でモニタリング調査を実施。調査地点の約8割で半数以上のサンゴが死滅し、多くはミドリイシ属群体だった。生きたサンゴが海底を覆う割合「被度」は、2023年の39.4%から14.9%に減った。

 奄美市笠利に設置する水温計は、今年8月の平均海水温は前年同月より2.1度高い30.4度を観測した。調査した同会の興克樹会長(53)は「今年は8月下旬まで台風が接近せず、海水温の高い状態が続いたため広範囲で白化現象が起きた」とみる。

 同島周辺海域のサンゴは大規模白化や2000年代のオニヒトデ被害で多くが死滅したものの、回復傾向にあった。興会長は「せっかく回復していたのに残念。再生力に期待したい」と話した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >