鹿児島県教育委員会は2025年実施の教員採用試験から、合格後に四年制大学編入を希望する短大生を対象に、大学卒業予定年月まで最長3年間採用を猶予する特例を新設する。意欲的な人材の確保が狙い。18日発表した。県教委によると、短大を対象にした特例は珍しいという。
特例は、採用試験に合格した短大生のうち希望者を「大学編入学特例名簿」に登録する仕組み。大学卒業後の採用は、短大で取得した教員免許の2種ではなく1種の取得が条件となる。県内は短大進学率が高く、一定数の受験者がいることを踏まえた。県教委は受験者に占める短大生の割合は明らかにしていない。
大学3年生が一次試験の一部科目を受けられる教職教養チャレンジ試験も拡大する。小学校に加え、中学校と特別支援学校の教諭を志望する人も受けられるようにする。初めて実施した24年は111人が受験し、59人が合格。このほか、高校の情報、看護、家庭を対象にしてきた社会人選考に福祉も追加する。
県教職員課の中島靖治課長は、教員のなり手不足が深刻化する中、受験しやすい環境を整えることで「鹿児島の教育を担いたいという人材に多く挑戦してほしい」と話した。25年の採用試験は、6月15日に1次試験が行われる。