新幹線に荷物を積み込むJR九州グループの社員=25日、鹿児島市のJR鹿児島中央駅
JR九州と国際貨物航空のユーピーエス・ジャパン(東京)は、九州新幹線を使ってJR鹿児島中央駅から送った荷物を最短翌営業日に、米国やアジアの主要都市へ届けるサービスを2025年1月14日から始める。25日は同駅で試験輸送があり、新幹線への搬入やトラック輸送との比較などを確認した。
JR九州は21年から、九州新幹線で乗客と貨物を一緒に運ぶ「貨客混載」事業を進める。ユーピーエス・ジャパンは関西国際空港を拠点に200以上の貨物路線を持ち、協業し陸上輸送を一部新幹線に切り替えることで、トラック運転手不足で物流が滞る「2024年問題」に対応する狙い。
新サービスでは、鹿児島中央駅のみどりの窓口に当日午前11時半までに荷物を持ち込めば、米国などには最短で翌営業日に届く。荷物は、九州新幹線でJR博多駅まで届けトラックで北九州空港へ。その後は関西空港などを経由して海外へ運ばれる。ユーピーエスが通関を一括して担うことで、さらなる時間短縮を図る。
25日の試験輸送では、茶製造販売の下堂園(鹿児島市)の緑茶とほうじ茶のボトリング吟穣茶(750ミリリットル、各1本)を運んだ。
両商品は温度管理や輸送期間の長さがネックとなり輸出していなかったが、立ち合った下堂薗麻実社長(43)は「翌日到着するなら、こだわりの製法を変えず輸出できる。活用して販路を広げたい」と話した。