鹿児島県は14日、南さつま市の「夕焼けこやけ」が運営する「石蕗(つわぶき)の里訪問介護事業所」が、介護報酬約60万1000円を不正に請求したとして、31日付で指定を取り消すと発表した。
県介護保険室によると、2021年1月〜22年12月、併設する住宅型有料老人ホーム「石蕗の里花瀬」で、訪問介護員の資格がない系列施設の職員が、介護が必要な入居者7人の居室清掃やおむつ交換などのサービスを提供したのに、資格を持つ事業所の職員が行ったとする記録を作り請求、報酬を受給した。
県は情報提供を受けて24年4〜7月、3回の立ち入り検査を行い、複数の職員から証言を得るなどして計355件の不正請求を確認した。県によると、会社側は聴聞で「資格のない職員にサービスを提供するよう指示しておらず、有資格者がサービスを偽ることはない」などと述べた。
事業所は同社が運営する三つの住宅型有料老人ホームを担当。県によると、3カ所のホームには昨年11月1日時点で計30人が入居する。夕焼けこやけの小堀満平代表は「当時の責任者がやったことで指示はしていないが、処分は会社として仕方ない。訪問介護はもう行っておらず、週2日ほどのその分は自社で対応し、入居者に影響が出ないようにしている」と話した。
同事業所は23年5月、訪問介護員が勤務していない日に訪問したとする記録を作成し不正に請求したなどとして、県から指定効力を3カ月間全部停止する行政処分を受けた。