学習用端末を使って実施される学力調査=16日、鹿児島市の天保山中学校
鹿児島県教育委員会は16日、鹿児島市の天保山中であった県独自の学力調査を公開した。今回から学習用端末で出題・回答する新方式(CBT)に変更。配布や採点の手間が省けるなど教員の負担軽減が期待されるが、つながりにくくなる不具合も発生。実施した40市町村から報告があった。
調査は14〜24日の期間中、県内の各小中学校で2日間行われる。小学5年生が国語、理科、社会、算数の4教科。中学1、2年生は英語を加えた5教科。県教委は「全教科をCBTで実施する自治体は初めてではないか」としている。
天保山中では1、2年生222人が受検。生徒たちはQRコードが印刷された用紙からログインすると、慣れた手つきで操作して問題を解いていた。1年の浜田莉緒さんはCBTについて「各ページにどんな問題があるかをすぐ確認できて、考える時間を多く取れた」と話した。
同校を含め、午前11時台に「次の問題が表示されない」などのトラブルが三島村、中種子町、喜界町を除く40市町村で発生。県教委によると、15〜16日に実施した学校が多く、アクセスが集中して負荷がかかったためとみられる。
2024年度の調査対象は小学生1万3005人、中学生2万5304人の計3万8309人。25年度の全国学力テストでも初めて、中学理科がCBTで行われる。県教委義務教育課の水島淳課長は「詳細を分析し、不具合が再発しないよう、今後に生かしたい」と話した。