在日米軍に法的特権を認めた日米地位協定に関し、47都道府県の7割に当たる鹿児島など33都道府県が共同通信の調査に、改定が必要との立場を示す回答を寄せた。多くは、米軍基地や訓練を巡る住民の不安を理由とした。日本側の捜査が制限されるほか、飛行高度などの航空法規定が適用されず、米軍機が低空を飛行。米軍専用施設のない自治体でも懸念が広がり、21府県が改定を望む。多数の自治体が協定を問題視する実態が浮き彫りとなった。
鹿児島県は日米地位協定改定の是非について「必要」と回答した。理由に「基地や訓練に対する住民の不安」と「協定の運用改善では不十分」を挙げた。
県は住民や自治体への影響について「米軍機とみられる低空飛行」に言及。米海兵隊輸送機MV22オスプレイが山岳地帯で行う飛行訓練で最低高度の基準が約150メートルから約60メートルに引き下げられた点を挙げながら、「県民から不安の声が聞かれる」と答えた。
県内では、鹿児島市や奄美市でオスプレイやヘリの低空飛行情報がたびたび寄せられている。県によると、2023年度は住民が目撃した205件のうち200件、24年4~6月は全81件が米軍機とみられる。
塩田康一知事は17日の定例会見で「(協定改定は)全国知事会も要請している。航空法の多くが適用されない部分も含めて見直してほしい」と述べた。