メンの手本を示す末野さん=21日、鹿児島市の西原商会アリーナ
中国上海市で剣道を習う小中学生19人とコーチ6人が来日し、鹿児島市の西原商会アリーナで21日、合宿を始めた。指南役は吉野剣道スポーツ少年団で教える範士8段の末野栄二さん(76)。熱い指導の下、元気よく竹刀を振った。
上海市剣道運動協会の陳強(チェンチャン)副会長(48)が8年前、霧島市で開催された剣道交流で末野さんに指導を受けたのが縁。
初日の稽古は午前9時から午後4時までみっちり行われた。末野さんは素振りで正しい竹刀さばきを見せ、「足をしっかり踏み込んで、真っすぐ振り下ろさないと一本は取れない」と指導。「腹から声を出して。肩の力を抜いて」と掛け声の大切さも説いた。
上海の大会で準優勝した経験がある喩霊萱(ユーリンシュエン)さん(10)は、姿勢や竹刀の持ち方を直してもらった。「午前中と比べて、見違えるほど良くなった」と褒められると、「教わったことを生かして次は優勝したい」と自信をつけた様子。
陳さんによると、上海では体育の授業に剣道を取り入れる学校もある。手ほどきを受けて上達する子どもたちの姿を見て、陳さんは「私も学ぶことが多く、指導に役立てたい。思いやりの気持ちや礼儀作法も伝えたい」と話した。
合宿は23日まで。22日は吉野剣道スポーツ少年団と交流稽古をする。