〈詳報〉鹿児島純心女子短大26年度末で閉学 18歳人口減や4年制大学志向の高まりで大幅な定員割れ続く 跡地に鹿児島純心大のデジタル系新学科開設へ

2025/01/25 06:00
2026年度から学生募集を停止する鹿児島純心女子短大=24日、鹿児島市唐湊4丁目
2026年度から学生募集を停止する鹿児島純心女子短大=24日、鹿児島市唐湊4丁目
 鹿児島純心女子短期大(山口明美学長、鹿児島市)は24日、2026年度以降の学生募集を停止し、同年度末で閉学すると発表した。運営する鹿児島純心女子学園が23日に開いた理事会で決定した。18歳人口の減少や四年制大学志向の高まりで近年、大幅な定員割れが続いていた。跡地には、鹿児島純心大(薩摩川内市)がデジタル分野の新学科を開設する予定。

 学園によると、19年度まで募集定員270人(当時)をほぼ満たしていたが、20年度以降急激に落ち込み、23年度は充足率50%だった。定員を185人に縮小した24年度も79%にとどまった。学科専攻を見直し、オープンキャンパスを工夫するなどして学生確保に努めたが回復できなかったという。

 松下栄子理事長は「社会状況が変化する中、苦渋の決断だった。入学生や在学生、卒業生、関係者の皆さまに大変申し訳ない」とコメント。法人本部の村久木敏典事務局長は、低所得世帯の子の高等教育進学を後押しする国の修学支援制度が20年度から始まった影響を指摘。「経済的に四年制大学に行きやすくなったのではないか」と推測した。

 鹿児島純心大は、27年度に人間教育学部の改編を計画しており、デジタル人材を育成する学科を新設予定。新学科のほか、既存学科でも鹿純心短大の跡地を活用し、薩摩川内市と鹿児島市の2拠点とする。

 鹿純心短大は、最後となる今春入学者が卒業するまで教育や進路支援に努め、教職員64人は本人の希望を聞きながら、学園内での勤務の検討や再就職支援をするという。

 鹿純心短大は1960(昭和35)年4月開学。約1万8000人が卒業した。現在、生活学科の3専攻と英語科があり、271人が在籍している。

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