県外資本に売却されたモリナガの「天文館G3店」=2024年6月、鹿児島市千日町
鹿児島市の城山観光が、子会社でパチンコ店を運営するモリナガ(同市)を、遊技業経営のデルパラ(東京)に事業譲渡したことが28日、分かった。24日付で全株式を譲渡した。屋号は当面残り、同市内にある全10店舗の営業は続ける。一部役員を除き、従業員約260人の雇用も継続する。
譲渡額は非公表。10店舗のうち3店舗の土地は、これまで通り城山観光が所有する。城山観光社長を兼ねるモリナガの矢野隆一社長(63)は24日付で退任、デルパラの山本昌範氏が新社長に就任した。
矢野社長は「経営に問題があったわけではない。今後の(パチンコ業界の)競争激化を見据え、企業体力の強化による従業員の雇用維持を最優先に考えた」と話した。以前から譲渡を検討していた。
モリナガは、城山観光の前身となる森永キャンディーストアーが、1954年にパチンコ店の森永会館としてスタートさせた。61年の城山観光設立以降は同社の遊技部が運営し、2008年に分社化していた。
東京商工リサーチによると、デルパラは07年創業。関東や鳥取県を中心にパチンコ店を展開し、同業の事業継承などで売り上げを拡大している。