たぎる地球の一因か…過去一暑かった24年の日本、二酸化炭素濃度も最大の増加量だった 衛星「いぶき」が観測

2025/02/11 18:03
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の想像図(JAXA提供)
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の想像図(JAXA提供)
 気候変動の要因となる温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の地球全体の平均濃度について、2024年は前年からの増加量が過去14年間で最も大きかったことが、環境省や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究で明らかになった。産業活動の拡大や森林火災の増加が要因と考えられる。09年に種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の観測データで分かった。

 二酸化炭素の平均濃度は年々、右肩上がりで高くなっている。24年は421.3ppmで、前年からの増加量は3.5ppmとなっている。これまでの増加量は16年の3.1ppmを除き、おおむね2ppm台で推移していた。平均濃度は10年の値と比べると33.3ppm増えており、環境省によると化石燃料による発電やごみの焼却など人為的要因の影響が大きいという。

 気象庁によると、24年の日本の平均気温は基準値(91~20年の30年平均値)を1.48度上回り、1898年の統計開始以降で最も高かった。環境省は「気温上昇への影響は今のところはっきり分からないが、増加量が最大となった原因などを今後精査する。温室効果ガスの削減に向けて全力を尽くしたい」としている。

 いぶきは、環境省などが推進する地球観測衛星プロジェクトの一つ。2018年の「いぶき2号」に続き、25年度には温室効果ガス・水循環観測技術衛星の3号機がH2Aロケット50号機で種子島から打ち上げられる予定。

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