10月から深夜便廃止の桜島フェリー「命に関わる状況あれば運航」 緊急車両使用にとらわれない例外運用言及 鹿児島市船舶局が桜島住民向け説明会

2025/02/15 11:30
桜島フェリー
桜島フェリー
 鹿児島市船舶局は13日、10月からの桜島フェリー深夜便廃止について、桜島住民向けの説明会を開いた。緊急時の対応として、救急車など緊急車両の輸送以外でも「(住民らの)命に関わる場合」は、例外的にフェリーを出港させることがあるとの方針を示した。

 廃止されるのは午前0時~3時半の出港で、桜島港-鹿児島港間を行き来する8便。10月以降の廃止時間帯は桜島港にフェリーと船員を待機させ、消防や警察の要請に応じて緊急車両を運ぶ。付き添いの関係者や車両も同乗可能とする。

 船舶局はこれに加え、緊急車両が使用されないケースでも、住民らの生命に危険があり、市街地に渡らなければならない場合はフェリーを出すことがあると説明した。住民の親族等が市街地で危篤状態となり、急いで駆けつけたい場合なども同様。現段階では明確な運用基準はなく、状況によって判断する。「まずは相談してほしい」としている。

 説明会は桜島公民館であり、桜島の各コミュニティ協議会長や町内会長ら23人が出席した。船舶局の説明によると、廃止する時間帯の車両輸送は2023年度1万4367台で、13年度の2万8344台から半減した。14年度の東九州自動車道延伸や、新型コロナウイルス禍が影響したとみられる。同時間帯の緊急車両乗船は19~23年度、月平均1.8台だった。

 橋口訓彦船舶局長は「住民、利用者に不便を掛け申し訳ない。フェリー存続のため理解してほしい」と述べた。出席者からは経営努力を求める意見が上がった。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >